渥美運動公園(田原市小塩津町)の遊休地に、市民有志らが整備する「渥美あじさいの森」で、来年6月開園を目指して植えたアジサイが見ごろを迎えた。まだ畝の隙間が目立つが、3年後には色とりどりの花で埋め尽くされるという。「渥美あじさいの森プロジェクト実行委員会」は、開園前年でも見物できるよう無料開放している。
運動公園に近い小塩津町周辺は、鉢植えのアジサイなど国内有数の花の産地で知られる。蒲郡市など先行する観光アジサイ園にも数多くの花を供給している。
「こんなに近くに有名な花の産地がある。生かさない手はない」と地元の事業主を中心に、昨年実行委員会が立ち上がった。
公園南側の弓道場や渥美の森に接する約1万2000平方㍍の広大な敷地を造成した。西側の伊良湖方面を望む斜面を切り開き、形状や色など幅広い約100種類、6000株のアジサイを植えた。
傾斜地に同じ色や形状ごとにゾーニングした畝がいくつもある。現在は実行委メンバーらで畝の間の草取りや水やり、雨水を逃がす水路を掘るなど維持管理に取り組んでいる。
斜面上部には既設の展望台から北西の砂防林や西ノ浜が見渡せる。今回の造成で森林に遮られていた南西側の新たな眺望も開けた。表浜海岸から伊良湖水道、神島が見えるようになった。
あじさいの森は旧渥美町時代のパターゴルフ場跡を利用している。施設閉鎖後の約20年前には地元の生産者組合がアジサイ園を運営していた時期もあったが、維持管理が難しく空き地に戻っていたという。
2023年度に市が公募した「みんなでつくろう!世界に誇れる花のまちアイデア募集」で、102件のアイデアの中から金賞に選ばれた。プロジェクト資金として実行委有志12人で1600万円を出資したほか、市補助1500万円など外部資金で総額3600万円かけて整備した。現在、園内に設けた募金箱で活動支援を呼び掛けている。
実行委によると、開園後は数百円程度の入園料を徴収し、維持管理費などに充てる方針だ。地元のアジサイ農家と連携して花の小売りにつなげるサービスも検討中。
プロジェクト実行委員長の川口敏郎さんは「開花する6月は春の菜の花や河津桜、夏の海水浴の端境期にあたる。有数の産地でアジサイを楽しめる趣向だ。観光と農業の振興に役立ててもらいたい」と語った。
現在は通路などが未整備のため、実行委では「雨で通路などの土がやわらかくなってしまう。泥はねなどの汚れも想定した服装で楽しんでほしい」と呼び掛ける。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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