昭和改元から100年目と太平洋戦争の終戦80周年をテーマにした企画展が2日、田原市博物館で始まった。戦争から経済成長、失われた40年の発端となったバブル崩壊前夜など激動の時代を300点余りの資料で振り返る。9月28日まで。
「昭和100年」と「終戦80年」のそれぞれのテーマで二つの展示場を設けた。
1926年12月の改元以降、これまでの100年の歩みが分かる「昭和100年」のコーナーには、軍国化へ傾く戦前の暮らしから、戦後の高度経済成長期に登場した家電製品などの実物を展示。昭和30~40年代の一般家庭の茶の間を再現し、ちゃぶ台や脚付きテレビ、黒電話など当時の生活必需品が並んでいる。
終戦80周年の展示場には、日中戦争で亡くなった旧伊良湖岬村出身の小久保幸一郎さん(1915~37年)らを紹介。小久保さんは県立西尾蚕糸学校(現西尾実業高校)で学び、岡崎市の蚕業講習所を経て伊豆地方の養蚕農家を指導した。20歳で徴兵され、37年に派遣された中国・上海の銃撃戦で亡くなった。
翌38年に同郷の戦死者と合同村葬が営まれ、メディア主催の展覧会でも取り上げられた。伊良湖神社には現存する石像も建てられた。
学芸員によると「戦争が泥沼化する前で、戦意高揚や財政的な余力なども背景に戦死者が手厚く扱われたのがよく分かる」と説明した。
終戦記念日にちなんだ紙芝居「前日物語」を10日午後11時と午後2時から上演する。1945年8月14日の終戦前日に起きた渥美線機銃掃射の悲劇を描いた物語。ギャラリートークは16日と9月7日の午後1時半から。申し込み不要。
月曜休館。祝日の場合は火曜。問い合わせは田原市博物館(0531・22・1720)へ。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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