現代フランス画壇を代表する画家の一人として活躍した豊橋市出身の画家、故松井守男さんの油彩画「遺言(原画)」がこのほど、島根県の出雲大社に奉納された。大阪府吹田市の「Galerie SOUS―SOL」の郷保剛さんが寄贈した。
松井さんは1967年武蔵野美術大学卒業後に渡仏。コルシカ島にアトリエを構えて日仏での創作活動を続け、2003年にはレジオン・ドヌール勲章を受けた。「光の画家」と呼ばれ、国際的に活躍してきたが、2022年5月に死去した。
郷保さんは松井さんの元マネジャーで、現在は相続人として作品の管理を担っている。寄贈は生前の松井さんと親交があり、あま市役所の完成時に松井さんの作品を寄贈した「服部コーワホールディング」社長の服部章平さんの仲介で実現した。今年2月、郷保さんが服部さんと出雲大社を訪問して松井さんの事績を紹介。その後、応接間にふさわしい作品として選ばれた「遺言(原画)」の寄贈が決まった。
奉納された「遺言(原画)」(200㌢✕450㌢)は1979年作。代表作「遺言」(1985年)の原点となった作品で、温かみある色彩が細かく重ねられており、見る人に「光」を感じさせる。
郷保さんによると、松井さんは生前、出雲大社と直接の縁はなかったが、山陰地方をとても気に入っていたという。「山や松林の風景、日本海の荒波や雪景色、温泉も大好きで、よく足を運んでおりました。そのような山陰地方にある出雲大社に作品が奉納されたことは、きっと画伯も喜んでいると思います」と語る。
郷保さんが服部さんと妻由奈さんとともに作品を持参。拝殿で「奉納奉告祭」が斎行され、庁舎(ちょうのや)応接間に飾られた。
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愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
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