豊橋市美術博物館で15日、今年2月に90歳で亡くなった元小学校長の伊奈彦定さんの功績を振り返る「伊奈彦定 その人展」の第5弾「ありがとうの手紙を添えて」が始まった。19日まで。
市の教育、芸術、まちづくりの発展に寄与した伊奈さん。市内各所での回顧展のラストを飾る今展は、家庭人、教育者としての伊奈さんに焦点を当てた。図工美術研究部の教員OBらが企画し、全5章で作品や写真、関係者らによる故人に宛てた手紙を並べた。
「家族とともに」では、妻の禮子さんや2人の孫らが選んだ作品を展示。旅の思い出や家族の節目に描いた1枚、愛犬を主人公にした絵日記、初めてパソコンで制作した愛猫の絵本などが並ぶ。孫の桃羽さんによる大好きな祖父に宛てた手紙は見る人の涙を誘う。
立ち上げに関わった「造パラ(こども造形パラダイス)とともに」では、関連写真を紹介。美術教諭からの感謝の手紙を添えた。今展の会期も造パラ開催に合わせたものだ。
「学校とともに」では、校長を務めた3小学校に残る作品を紹介。松山小の歴史を描いた色紙、老津小の修学旅行を描いた色紙や巻物、岩西小玄関を飾る油彩画などが楽しめる。新任時代の羽田中の学級新聞も。松山小で一緒だった原田憲一教育長の手紙も並ぶ。
「市電とともに」では市電の絵と「市電を愛する会」の髙須博久会長の手紙、「豊響とともに」では目を引く演奏会ポスターと楽団の下谷剛嗣さんの手紙を掲示した。豊橋市を愛し、多くの人に愛された伊奈さんの人柄がしのばれる温かい内容となった。
企画者の一人、田澤順子さんは「家庭人であり、教育者である伊奈彦定その人の作品をぜひ御覧ください」と呼びかける。来場した禮子さんは「会場に入ると温かさ、明るさ、楽しさが押し寄せてくる。大勢の方々のお心に頭が下がるばかり。何よりの供養になり、本人も感謝していると思います」と話した。
購読残数: / 本
愛知県豊橋市生まれ。大学卒業後、校閲記者として入社。1年後に報道記者に転身した。2020年から報道部長。芸術、福祉、経済・奉仕団体などを担当する。趣味は、かなりジャンルに偏りのある読書と音楽鑑賞。思考のそっくりな一人娘と趣味を共有している。
週間ランキング
新城市でツキノワグマ出没 愛知御津駅にロイヤルエクスプレス停車 沿線5市が特産品などPR ホームは物産展の様相 はつらつ豊橋「一日長」 豊橋中央の高橋大喜地さんにも委嘱 「浜松湖西豊橋道路」二川地区の大部分をトンネル構造に 豊橋市が計画素案の説明会 三遠、西地区首位・長崎に逆転負け 大野HC、若手の成長評価 「ファイトするように」 豊橋市が防災訓練 車中泊など初の取り組み 【インタビュー】「童貞絶滅列島」作者の川崎順平さん「胸を張って生きられる社会に」 豊橋の「ながら・加藤建築」棟梁の加藤さんが東京庵豊川店の水車を修復へ 豊橋市役所で「市民の日」式典 豊橋・西光寺で12月5~6日に「三河酉の市」 巨大熊手に甲子園出場の豊橋中央を祝う模型も日付で探す