豊橋市の要配慮者利用施設 夜間に初の垂直避難訓練 11月までに6施設で

2025/10/21 23:00(公開)
職員や仲間に支えられ垂直避難する施設利用者=豊橋市の「すてっぷハウス」で

 豊橋市は20日夜、同市三ツ相町のグループホームで災害時の要配慮者を対象とした建物内での垂直避難訓練に取り組んだ。保育施設や老人ホームなど6施設で11月上旬までに同様の訓練を続け、各施設の避難確保計画の実効性を高めたい考えだ。

 

 高齢者や障害者、乳幼児ら自力で逃げることが難しい施設では、地震や津波など災害発生時に安全に避難できるよう計画を定めることが義務付けられている。有事の際の職員の行動手順、避難経路や避難場所の確保などを盛り込んでいる。

 

 初日は、豊川左岸の浸水想定区域で運営するグループホーム「すてっぷハウス」で、初の夜間避難訓練があった。木造2階建ての住宅を改装した施設で、精神障害者ら7人を1階居間から2階の利用者個室へ垂直避難するまでの経路や必要な手順を再確認した。

 

 訓練があった午後7時頃は昼と夜の職員が交代のため引き継ぎする時間帯だ。夜間の就寝中は職員1人で避難対応することになる。この日は市の警報とともに自力で動ける利用者らが水や食料などの備蓄品を2階へ移動。自力歩行が難しい人は職員やほかの利用者で支え、階段での転倒防止や心の乱れを抑えるように誘導した。

市職員の助言を聞く施設関係者ら

訓練翌日に振り返り 改善点や計画見直しなど理解深める

 

 施設世話人の豊田幹子さんは「待機時間が長引いたり、慣れない部屋へ移動したりすると心理的な負担が増す利用者もいる。施設内の協力体制や環境の整備など、訓練で計画の改善点を洗い直したい」と述べた。

 

 市防災対策課の担当者は「有事に計画が機能するか、的確に対応できるかを常に再確認することが重要だ。備蓄品も異なるフロアで分散するなど想定通りに運ばないことも踏まえておくべきだ」などと助言した。施設と市側で訓練翌日に振り返りの会を設け、今後の計画見直しや気付きを深めるという。

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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