東三河エリアで地域活性化に取り組む学生が増えてきている。今回注目するのは、愛知大学地域政策学部2年の牧田心路さん。高校時代から地元の浜松市の魅力発信に携わり、大学進学後もその情熱を燃やし続ける牧田さんの活動を紹介する。
牧田さんの活動の原動力は「浜松がすごくすごく大好き」という純粋な思いだ。高校時代、漠然と抱いていた地元への誇りを、もっと深く理解し、自分の言葉で語れるようになりたいと考えたことが地域活動に参加するきっかけだった。「知ったうえでこのまちのことがすごく好きだなっていう風に感じたから、この経験をもっといろんな若者に提供したいなと思って」と牧田さんは語る。
その思いから、現在は地域の面白い人を紹介する「ひとまっぷ」の制作を進めている。先日参加したプロジェクト発表の企画「火―Okoshi」では、そのプランで見事「火―Okoshi賞」を受賞した。
活動は順風満帆だったわけではない。地域の人から「勝手なことをしている」と見られてしまったり、大会では「好き」という思いだけでは通用せず、論理的な説明を求められたりする場面もあったという。思いを伝えることの難しさに何度も直面した。「地域で関わるうえで地域の人に対する思いの伝え方と、多くの人に知ってもらうための理論立てというのが、また別軸で苦労としてあった」
それでも活動を続けてきた中で得られた最も大きな財産は、人とのつながりだ。「自分たちが生まれ育った地域の大切にしてきたものを、大切にしている人たちに出会えた」と語る牧田さん。活動を通じて出会った大人たちの姿は「自慢したいから守りたい」という、より強い使命感へと彼女の意識を変化させた「やらまいか精神(何でもやってみよう、という遠州地方の方言)が浜松の魅力。その精神が根付いているからこそ、面白い人やすてきな場所がたくさんある」と彼女は信じている。
今後の目標は、地域に「何もない」と言う若者を一人でも減らすことだ。「『何もない』っていうのは、ただ知らないだけ。知る機会をずっと提供し続けられる人間でありたいし、自分自身ももっと知られていない魅力や面白い人たちを発掘して、伝えられるようになりたい」。彼女の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
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Lirem創業者。2000年1月11日生まれ。山口県宇部市出身。2020年3月、宇部工業高等専門学校を卒業、同年4月、豊橋技術科学大学3年で編入、在学中の2021年10月にLiremを設立して代表取締役に就任。現在は起業家支援事業や事業会社のイノベーション促進に向けた研修プログラムを提供する。「火―Okoshi」も運営する。
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