豊橋信用金庫は、ATM(現金自動預払機)での特殊詐欺被害を未然に防ぐため、ATM内蔵カメラを利用したAI画像検知システムを導入した。振り込み操作中に携帯電話やスマートフォンで通話する利用者をAIが検知し、自動で取引を中止させる仕組み。10月24日から稼働している。
振り込め詐欺などの特殊詐欺では、犯人が電話で被害者をATMに誘導し、通話しながら振り込み操作をさせて指定口座に送金させる手口が多発している。今回の新システムは、この「通話しながらの操作」という特徴的なしぐさをAIが検知すると、警告メッセージを表示。続いて「振り込め詐欺防止のため お取引を中断しました」と文字が現れ、取引がいったん停止する。これにより、利用者に冷静になるよう促し、被害を水際で食い止める。
豊橋信金は、増加傾向にある特殊詐欺への対策として、これまでも職員による声掛けやATMの振り込み制限をしてきた。今回のシステム導入でさらなる抑止力強化を図る。
豊橋信金の担当者は「ATMコーナーで携帯電話を利用するお客さまには職員がお声掛けすることもある。大切な預金を守るため、ご理解をお願いしたい」としている。
◇
警察庁によると、今年上半期の特殊詐欺の認知件数は1万3213件(前年同期比47・5%増)で、被害額は597・3億円(同162・1%増)と、いずれも前年同期を大幅に上回っている。
このうち「還付金詐欺」では、被害の90・5%がATMからの振り込みだった。また「架空料金請求詐欺」のうち有料サイト利用料名目の手口でも、被害金交付形態はATMが75・8%で最多となっている。
購読残数: / 本
1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
週間ランキング
日付で探す