豊橋市は8~9日、市立羽田中学校や豊城中学校で防災訓練を開いた。校区をまたいだ事前避難や自衛隊による炊事支援、車中泊の説明など市内初の取り組みが多く、地域の防災リーダーを中心に多くの市民が学んだ。
羽田中では8日朝、校区を越えた事前避難に焦点を当てた津波避難訓練があり、吉田方、羽根井、花田の校区防災会連絡協議会のメンバーが集まった。羽根井、花田の住民らが市職員の説明を受け、健康チェックをする事前受付と、名前や家族構成などを書く受付を体育館前に開設。午前10時頃から事前避難対象地域になっている吉田方校区の住民が徒歩や自転車、車で訪れ、避難所利用の訓練に取り掛かった。
終了後は南海トラフ地震臨時情報発表時における事前避難対象地域の解説があった。
豊城中では避難所設営と運営に焦点を当てた総合防災訓練があった。防災リーダー67人が体育館に集まり、数人のグループに分かれて災害用トイレの運用、簡易ベッドなどの設置、陸上自衛隊による炊事支援と統制、車中泊避難などの訓練に取り組んだ。災害用トイレの運用ではポータブルトイレ「ラップポン」を使い、実際に用を足した後に処理剤を入れ、汚物袋を熱圧着で閉じる処理方法について体験した。
陸上自衛隊による炊事支援では、グループごとに担当者がパックご飯やカレーパウチを取りに行き、湯沸かしを担当する豊川駐屯地第10高射特科大隊の元で食事を温めてもらった。
参加者はお互いに協力、相談し、追加で必要なものや、あれば便利なもののアイデアを出し合っていた。
車中泊の訓練では、経験がある市防災危機管理課の河合優課長や防災リーダーのメンバーが寝袋やアルミマットなどのグッズや、後部座席を使った寝床の整え方を紹介。河合課長は「手足を伸ばせるスペースを確保するなど、寝やすい環境を作ることが大切」と事前準備の必要性を説いた。
宿泊後の9日朝は、名古屋大学減災連携研究センター特任准教授の木作尚子さんによる振り返りがあった。木作さんは「やってみないと分からないことは多く、そうした気付きを次の訓練に生かすというPDCAサイクルを回すことが非常に重要」などと語った。
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1988年生まれ。三重県津市出身。
地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
趣味は一口に言うとゲーム。著名なタイトルをすべて網羅しているわけではないが、コンシューマーはファミコン時代から「ドラゴンクエスト」などを親しんでいる。ジャンルは問わず、環境としてはオンライン、カード、ボード、テーブルトークなど手広くプレーしている。
好きなものは甘いもの。犬派。写真は実家の猫。
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