【全国高校駅伝】豊川が都大路で快走誓う きょう12月21日号砲

2025/12/21 08:05(公開)
最終調整をする男子駅伝部=豊川高校グラウンドで
最終調整をする男子駅伝部=豊川高校グラウンドで

 豊川高校駅伝部が、21日に開かれる「男子第76回、女子第37回全国高校駅伝競走大会」(日本陸連、全国高校体育連盟など主催)に男女同時出場する。男子は3年連続12回目、女子は4年連続16回目の大舞台となる。「たけびしスタジアム京都」を発着点に、男子は7区間(42・195㌔)、女子は5区間(21・0975㌔)で争う。スタートは女子が午前10時20分、男子が午後0時半。男女そろっての入賞を目指し、都大路での快走を誓う。

最終調整をする女子駅伝部
最終調整をする女子駅伝部

男子:古豪復活へ「威風堂々」

 

 11月3日に行われた県予選(一宮市)では、全区間で区間賞を獲得、2時間6分23秒を記録し、2年ぶり10回目の優勝を飾った。昨年、僅差で優勝を逃した悔しさを晴らす圧勝劇であった。1区の大沼光琉選手(2年)が落ち着いたレース運びからラスト1㌔で集団を飛び出し、他の選手を引き離すと、2区の田島侑樹選手(3年)は2位との差を26秒、3区の吉村竜友健選手(2年)は52秒に広げた。4区の伊藤颯汰主将(3年)は「落ち着いて走れた」とペースを一定に保ち走り切った。5区の服部蓮斗選手(2年)、6区の永嶋駿樹選手(2年)も危なげない走りを見せ、7区の嶋岡希選手(3年)にトップでたすきをつないだ。昨年もアンカーを走り数秒差で優勝を逃した悔しさを胸に2位をさらに引き離して優勝を決めた。

区間賞でゴールする嶋岡選手=一宮市大野極楽寺公園で
区間賞でゴールする嶋岡選手=一宮市大野極楽寺公園で

 同23日の東海大会(三重県松阪市)では6区を終えて首位の愛知高校と38秒差をつけられていたが、7区で大逆転し、2時間7分38秒で優勝を勝ち取った。伊藤主将は「反省点はあるが、両方勝ち切れたのはチームとしては大きな成長」と振り返った。

 

 同校の都大路での優勝は2012年以来遠ざかり、古豪復活を目指す。「速さはあるけど強さはない」という声もあるなかで、今年は「威風堂々」をスローガンに掲げた。伊藤主将は「豊川の強さを取り戻す。結果、行動、走る姿の全てで強さを兼ね備えたチームになる」という強い思いが込められている。東海大会では「甘さや油断が出た」と語るが、その後の「日本大学長距離競技会」で出場選手の多くが自己新記録を出し、好調を維持する。都大路では「ベストを尽くし、チーム一丸で入賞を目指していきたい」と意気込む。

 

 6区が有力視される嶋岡選手は個人で前回の区間7位を上回り、区間賞をとると宣言。昨年の経験も踏まえ、本大会では「序盤の紫明通りはカーブが続いていて走りにくいが、その後の登りでペースを落とさず、自信のある後半に勝負をかけたい」と戦略を語る。

 

 奈良修監督は「チームの調子は上がっている」と手応えがある様子。絶対的なエースはおらず、チーム発足当初は全国での上位進出は厳しいと見ていたが、「夏以降の急成長で全国入賞の現実味が出てきた」と話す。一方でトップレベルは2時間1~3分台だが、同校は2時間6分台。「7人の力が必要。1区は特にハイペースになるとは思うが、自分の役割を果たしてほしい。区間一桁を目指して入賞を」と冷静に分析した。

 

 期待は大沼選手は9月下旬に行われたU20日本陸上選手権の男子3000㍍で10位、県高校駅伝では区間賞、11月の市町村駅伝では静岡県沼津市代表として出場し、区間新記録を出した。昨年は1年生ながら都大路に出場したが、今夏はコンディション不良に苦しんだ。今は調子は上向きだ。奈良監督は「良いトレーニングが積めていると思う」と期待する。

 

2年生エースの大沼選手(中央)
2年生エースの大沼選手(中央)

女子:「史上最弱」からの逆襲へ

 

 県予選では、1時間12分26秒を記録し、他校を寄せ付けない強さで4年連続15回目の優勝を果たした。1区の谷凪紗選手(3年)は「何が何でも区間賞を取って優勝に貢献したい」とスタートし、区間半ばから独走。願い通りの区間賞でたすきをつないだ。しかし、2区の藤田紅良主将(3年)は前半順調だったものの、2㌔過ぎに左足裏がつってしまうアクシデントが発生。「走りきることが目標になってしまった。みんなに助けられた優勝だった」と悔しがったが、2位との差を52秒に広げた。3区の遠坂日向選手(2年)、4区の隅田美月選手(1年)も向かい風に苦しんだが、首位を守り、差を1分23秒に拡大。アンカーの蒲生悠桜選手(3年)は体調が万全でなくペースを落とす場面もあったが、得意のラストスパートで1位でフィニッシュ。「優勝できてうれしい」と笑顔を見せた。東海大会でも、1区から首位を守り、2位に1分37秒差をつけて快勝した。

1位でゴールする蒲生選手
1位でゴールする蒲生選手

 チーム発足当初、女子は「過去最弱」からのスタートだった。エースで長年引っ張ってきた秋竹凛音選手ら昨年の出場選手が4人抜け、県予選も危ぶまれた。藤田選手は「弱いことは理解していたので、チーム全体でどうやって上がっていくのかを一人ひとりが向き合ってきた」と言う。

 

 目標は昨年成し遂げられなかった入賞、タイムは1時間1桁台を掲げる。「走る、走らないかかわらず自分の役割を最後まで果たしていきたい」と語った。

 

 エースの谷選手は、1学年上の先輩、秋竹凛音さん(大東大学1年)の背中を追って同校を選び、中心選手に成長した。前回大会では唯一の下級生で出場したが、「後半きつくなってしまった」と区間31位。新チームになってからは「見返してやる」という気持ちで取り組んできたという。今大会では個人9位以内が目標。「先頭集団についていき、後半のきつい上り坂で自分の粘り強さを発揮したい」と語った。

 

 臼井康善監督は「歴代の中でも特によく成長したチーム。3年生が手本を示し、下級生も急成長してきて、昨年の先輩の穴が埋まるほど仕上がってきている」と評価する。「谷が8位以内で走り、2区でさらに順位を上げる流れが作れれば入賞のチャンスがある」と分析した。

エースの谷選手
エースの谷選手
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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