【春高バレー】「3年生とプレーしたくない」と告白した夏 葛藤乗り越え大舞台へ、豊川・水田主将

2025/12/30 00:00(公開)
主将の水田選手(提供)
主将の水田選手(提供)

 豊川高校女子バレーボール部が、来年1月5日に東京体育館で開幕する「第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)」に県代表で出場する。3年ぶり2度目となる大舞台。その裏側で主将の水田愛弓選手(3年)は夏に「3年生とバレーをやりたくない」と話すほど追い込まれた。

 

 身長164㌢でアウトサイドヒッターの水田選手。永松里加子監督が「勝ちへのこだわりが強く、仲間に『怒り狂える』のは彼女くらい」と評するほどだ。水田選手が主将に就任したのは2年冬。昨年11月の県予選決勝で人環大岡崎に敗れ、春高の切符を逃した。その際、引退する先輩らに主将を託されたが、予想以上に重圧は大きかった。

 

 他の選手が休み時間に友達と話したり、練習で個人メニューをこなしたりするなか、練習メニューを毎日首脳陣に提出するのは主将の役目。練習態度が悪いとげきを飛ばすことも。自分が崩れそうになりながらも周囲を鼓舞する日々が続き、「何で自分だけが」と不満を永松監督にぶつけるまでに。水田主将の心境を永松監督は「主将として、指導者と同じ『島』にいるような感覚でチームを見ていた」と推察。同ポジションにエース井上愛梨選手(3年)がいたこともあり、「嫌なことをやってくれる存在で、選手として必要とされていない孤独を感じていたと思う」と振り返る。

 

 永松監督は3年全員に「水田をレギュラーとして必要としているのか」と問いかけ、主将の苦労を気付かせた。その時、水田選手は3年生ではなく、下級生と一緒に練習することで気持ちを切り替えた。

 

 しかしその後、チームの雰囲気ががらりと変わった。一人ひとりがチームのためにやるべきことを考え、メニューやチームの今後を話す姿が見られるようになったのだ。

 

 「水田も下級生との練習で久しぶりに楽しそうな表情を見せた。みんなが一つにまとまり、これならインターハイは勝てると思った」と永松監督。予感は的中し、インターハイ県予選で初優勝し、春高県予選では、前年のリベンジを果たした。水田選手は「先が見えず不安だった時期も、私たちを見捨てず最後まで見てくれた。永松監督とこの仲間だったからこそ、全国の舞台に行けた」と感謝した。

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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