田原市の菊農家髙平隼人さんら4人が、未耕作温室をリノベーションしたバニラ栽培を目指し「TokoharuVanilla(とこはるバニラ)」を立ち上げた。少額、省力で始められる事業モデルの構築と国産バニラの加工を含めた安定供給を県内で初めて目指す。
メンバーは約6年のバニラ栽培経験を持ち、代表を務める髙平さんのほか、同市で野菜や果物の乾燥加工などを手掛ける「雅風」の洋菓子部「パティスリーフェッテ」の藤井秀和さん、豊橋市のキャベツ農家で畑など土に関する豊富な知識を持つ花井啓良さん、温室トマトやパッションフルーツを育てており農業資材にも詳しい伊東裕太さん。異なる強みを持つ4人が協力して事業構築に臨んでいる。
なぜバニラなのか。髙平さんは渥美半島が持つ「常春の地」などのポテンシャルに着目する。「通年で温暖で、ハウス栽培で強い風を遮れば冬でも暖かい気候特性は、熱帯地域で育つバニラの栽培に適している。育てる手間もそれほどかからず、忙しい時期は限られる。本業の片手間でやっていくことができる」と語る。
市内でも多くの農家が熱帯果樹づくりに本業の合間を縫って挑戦している。藤井さんは「バニラはスイーツと切っても切れない関係にあり、サフランに次いで世界2位の市場価値を持っている。それでいて加工が難しいことから参入しにくい」と優位性を語る。「90%以上がマダガスカルなどからの輸入で、国産は各地でも挑戦しているが、高品質なものはまだまだ」と開拓の可能性を挙げた。
会社としてのハウスは若見町に約560平方㍍を確保した。高齢で営農継続が難しくなった人から譲り受けたものだ。今年中にハウスの整備を終え、髙平さんが栽培を進めているものを含め500株を移設。年間約600㌔を最低目標に生産を進める。
重要なのは事業モデル構築だ。髙平さんは「高齢化が進み、農業の省力化や労働費削減という課題が田原市にもある。バニラ栽培をその解決策としてはめ込むことができればと考えている」と語る。藤井さんは「バニラは菓子職人には欠かせない。日本がしっかりした設備で高品質なものを安定的に出せれば、海外からも魅力的だ」とPRした。
今後、クラウドファンディングなども活用して広報に努めていくという。問い合わせはとこはるバニラのメール(tokoharuvanilla@gmail.com)へ。
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1988年生まれ。三重県津市出身。
地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
趣味は一口に言うとゲーム。著名なタイトルをすべて網羅しているわけではないが、コンシューマーはファミコン時代から「ドラゴンクエスト」などを親しんでいる。ジャンルは問わず、環境としてはオンライン、カード、ボード、テーブルトークなど手広くプレーしている。
好きなものは甘いもの。犬派。写真は実家の猫。
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