市民有志が企画運営し、新旧の名作映画を上映する「第24回とよはしまちなかスロータウン映画祭」が18日、豊橋市の「穂の国とよはし芸術劇場プラット」で開幕した。初日恒例のシネマ&トークには俳優の井浦新さん(51)が登場した。約770人を前に、恩師である是枝裕和、若松孝二の両監督との思い出や、東三河でのロケ秘話を情熱的に語った。
井浦さんは、自身の原点であるデビュー作「ワンダフルライフ」(1999年)と、若松監督役を熱演した「止められるか、俺たちを」(2018年)の上映後に登壇した。モデルから俳優へと転身した当時を振り返り、「是枝監督から『会いたい』と連絡があったのが始まり。撮影前の3カ月間は、演技指導ではなく雑談でコミュニケーションを深めた」と明かした。撮影中は敢えて結末を伏せられたまま演じたといい「その場で生まれる感情を大切にするスタイルが、自分の基礎になった」と語った。
また、12年に急逝した若松監督については「自分を鍛えてくれた育ての親」と敬意を表した。実録映画として自身が若松役を演じた際は「知っている存在だからこそ、当初は演じることに葛藤があった」と吐露。しかし「監督から受け取った言葉を映画の中に閉じ込めたい」という一心で役に挑んだという。
続編となる「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」(24年)のロケで訪れた東三河でのエピソードも披露。豊川市の「日本車輌製造メモリアル車両広場」で80年代の新幹線シーンを撮影したことを振り返り「撮影が終わった直後、宿泊費がないからお前ら帰れと、そのまま豊橋駅に放り出された」と会場を笑わせた。
スロータウン映画祭に対し、井浦さんは「ミニシアターがない地域で、これほど長く映画を愛し続けているのは宝物のようなこと。来年も開催されるのを当たり前だと思わず、皆さんで支えてほしい」と、メッセージを送った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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