「資生堂ジャパン」は12日、視覚に障害がある人を対象とした美容セミナーを豊橋市東新町の市障害者福祉会館「さくらピア」で開いた。同市では初の開催で、同社が開発した独自の化粧法「ガイドメイク」を伝授した。県盲人福祉団体連合会に所属する県内の女性10人、男性1人が参加した。
ガイドメイクは、資生堂が長年にわたる視覚障害者への化粧に関する調査や研究をもとに開発したメソッドだ。視覚に障害があっても自身で簡単に実践できるよう、使用する化粧品や用具も使いやすさを考慮して選定されている。
2017年の試験を経て、19年から全国で本格的に展開されている。この取り組みは、化粧の力で「自信を持って外出したい」「人に会いたい」と思う気持ちを後押しし、社会参加の気持ちへと案内することを目的としている。
会場では、参加者が聞き取れるように講師がゆっくり、はっきりとメイクの流れを説明した。参加者1人か2人に資生堂のスタッフ1人がついてサポートした。
連合会の伊藤寛美さん(55)は、左目でかろうじて光を感じる程度だ。「若い頃は自分でメイクをしたことはあるが、ムラができたことを他人に言われて、それからは化粧水を使う程度になっていた」と話した。
参加者は肌を若々しく保つスキンケアやメイクのポイントを学んだ。当事者がイメージしやすいよう、手で触れて使用量が分かるスケールを使い、弱視の人が視認できる黒色トレーを使用したほか、メイク前には化粧品を使わない模擬練習をするなど、細やかな配慮がされていた。スタッフは手を添えたり、「触りますよ」と声をかけたり、アドバイスをしたりした。
実習を終えた参加者からは「家でやる機会がなかったので貴重な機会でうれしかった」「アイシャドーの道具の形を初めて知り勉強になった」「化粧道具が使いやすかったけれど、値段が気になる」などのほか「やっぱり自分は女なんだな、と思った」といった感想が寄せられた。
資生堂社会活動企画推進グループの伊藤由美子さんは「メイクの力が参加者の心を明るく前向きに変化させる。今後もさまざまな立場の人たちをメイクでサポートしたい」と話していた。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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