豊橋市内で長年営業を続けるお好み焼き店や喫茶店など、地元で親しまれてきた六つの建物を精密に描いた個展の開催に向け、一級建築士でイラストレーターの大武千明さん(40)=豊橋市=がクラウドファンディング(CF)に挑戦している。目標金額は50万円。支援はCFサイト「CAMPFIRE」で。「自分にとって大事な場所はどこだろうと見つめ直すきっかけにしてほしい」と呼び掛けている。9月20日まで。【北川壱暉】
個展は水上ビル内の「ネコゼ商店」で10月24日から11月8日まで開催。初日には豊橋出身のイラストレーターのかとまりさんを迎えたトークイベントも開く。リターンは、展示作品集「ZINE」が届くコースやイベント参加券、寄贈セレモニー来賓権など6種類。支援者が街の魅力を寄せる「ときめきMAP」の企画も用意する。原画はモデルとなった店や施設に寄贈予定だ。
活動のきっかけを「大好きだった店がなくなる経験をし、手遅れになる前に今の景色を書き残したいと思った」と語る大武さん。特に思い入れがあるのが、創業57年のお好み焼き店「伊勢路」だ。蝶ネクタイ姿で人気だった店主の堀米治さんが2年前に亡くなり、大武さんは「常連ではなかったが、閉店してしまうかもと聞いてもっと行っておけばと後悔した」と振り返る。その後、娘の樋渡喜久代さんが継ぎ、大武さんも定期的に訪れるように。絵は数カ月前から書き進め、建築畑らしい正確なパースと万年筆のあたたかな筆圧で、創業当時から使っている鉄板を囲み会話する常連の姿や湯気が立ち上る店の様子を表現した。
父の店を残したい一心で切り盛りする樋渡さん。生前、病気で店に立てなくなった父から、常連客を通じて「喜久代なら大丈夫だ」と言っていたことを知った。「店の雰囲気がそのまま再現され、命が吹き込まれたような温かさを感じた。父も喜んでくれるはず」と涙ぐむ樋渡さんに、大武さんは「身近な大切なお店を大事にするきっかけになればうれしい」と話す。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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