田原市の山下市長が12月勇退へ 市議との同日選目指す 選挙負担軽減や投票率向上狙い

2026/09/03 00:00(公開)
市議会で勇退を表明する山下市長=議場で
市議会で勇退を表明する山下市長=議場で

 田原市の山下政良市長(77)は2日、市議の任期満了(来年2月2日)に伴う市議選と市長選が同日選となるよう、自身の任期満了(4月27日)を前倒しして今年12月をめどに辞職する考えを示した。年明けから4月下旬まで公職選挙が連続することから、選挙の負担軽減と投票率向上につなげる。市議会で中神靖典氏の一般質問に答え、議会後の臨時記者会見で説明した。

 

 山下市長は臨時記者会見で「体力や気力は十分あるが、4期目に入れば任期中に80歳を超える。健康状態の急変など万一に備えて、けじめをつける時だと決断した」と退任理由について説明した。

 

 また、三河港の田原公共ふ頭で水深マイナス10㍍の耐震強化岸壁の整備が今月末に完了する。渥美半島をつなぐ「伊良湖クリスタルライン」は防災を優先し、既存道路を活用して整備する県の方針公表にこぎつけた。高規格化は引き続き構想路線として残すめども立ったことから「市長として大きな区切りがついた」と勇退への意思を後押ししたという。

 

 市長の任期満了を待たず市議会との同日選挙を目指す点について、山下市長は「就任当初からの考えだ。市議選と同じ期日なら調整も可能と判断した。費用や職員の負担軽減や投票率低下の改善にも期待できる」と説明した。

 

 公職選挙法では市長選辞職から50日以内に選挙を行うとしている。市議選は1月下旬の投開票が濃厚で、市長は12月市議会の会期中に辞職届を提出する方針だという。

 

 山下市長は「渥美半島を元気に」を掲げ2015年4月に初当選、現在3期目。サーフィンを核にした移住定住の促進策や花のあるまち、半島防災などを手掛けた。

 次期市長選を巡っては現在、新人2人が立候補を検討している。

 

市議会後に臨時会見する山下市長=田原市役所で
市議会後に臨時会見する山下市長=田原市役所で

年齢的な限界を自覚 元気なうちに後進へ 臨時会見でも説明

 

 山下市長の臨時記者会見での発言要旨は以下の通り。

 

 土日曜も休むことなくまい進した3期12年間は、1期目があっという間に通り過ぎ、本当に短く感じられた。しかし多くの成果を達成できてよかった。行政に終わりはないが、元気なうちに次の世代へバトンタッチし、3期という節目でけじめをつける。

 

 気力や体力はあるが、4期目に入れば途中で80歳を超える。メモをしないと忘れてしまうなど年齢的な限界を自覚しており、任期途中の病気やけがで周囲に迷惑をかける前に身を引く。若い人の考え方に寄り添える気持ちはあるが、限界はある。特定の誰かを後継指名することはない。

 

 辞職は12月の定例会最終日に近い形を予定する。議長にはあらかじめ伝える。選挙費用などの負担を減らすため、1月の市議選と同日選にしてもらえるよう選挙管理委員会にお願いする。1年で最も寒い時期に選挙運動を強いることになり、候補者に対して気の毒で申し訳ないという葛藤はあったが、同日選の実現を最優先する。

 

 決断の最大の要因は、主要事業に一定のめどが立ったことだ。職員時代の昭和61年から40年越しに完成する公共ふ頭のマイナス10㍍の耐震強化岸壁は、かつて私自身が担当者であったため本当にうれしく、心の中でも最も大きな出来事だ。また、夢だった渥美半島道路も、南海トラフ地震に備えて一般道のバイパスで伊良湖までつなぐ整備方針が示され納得した。この進展が、私にとって大きな区切りとなった。

 

 個人的な一番の思い出は、年1回のバイクツアーなどを通じて若い職員と楽しく交流できたことだ。私と同じ思いや志を持つ人に次の市政をやってほしい。

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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