蒲郡のクジラ化石は新属新種

2016/11/03 00:02(公開)
新種に認定されたことを伝える案内板を設置する学芸員=蒲郡市生命の海科学館で
 蒲郡市生命の海科学館で常設展示されている約750万年前のクジラ化石が、ナガスクジラ科の新属新種であると認定された。国立科学博物館研究員らが昨年調査し、今年10月5日にイギリスの英国王立協会が刊行する学術誌に記載、「インカクジラ」と命名された。2日会見した稲葉正吉市長は「蒲郡として誇らしさとうれしさがある」と喜んだ。
 同科学館で展示しているのは1990(平成2)年に南米ペルーで発見され、蒲郡市が98年8月に約5400万円で購入した化石。地層から約800万年前のもので、全長9㍍ほど。99年7月の開館以来、1階の出入り口近くに設置されている。
 調査は昨年6月7日から同10月まで同博物館地学研究部(生命の進化史)の甲能直樹博士、当時同館外国人研究員だったフェリックス・マルクスさん、北京大学地質学部の佐藤哲哉さんの3人が科学館や同博物館で詳細に研究していた。
 論文はマルクスさんと甲能博士でまとめた。クジラの鼻の横にある骨が細長くなっていることや下あごの部分がねじれていること-の特徴を挙げた。下あごの形状は現在のナガスクジラ類とは異なったエサの食べ方をしていたことを示唆。「ナガスクジラ類は進化の過程でこれまでに知られていない食べ方を試行錯誤をしていたことが明らかになった」とした。
 論文は同協会の学術誌「ロイヤル・ソサエティ・オープン・サイエンス」のインターネット版でも閲覧できる。
 同科学館の山中敦子館長は「今後ヒゲクジラ類の進化の歴史を解明する上で世界的に重要な手がかりとなるのでは」と期待した。
 同館は今後企画展を行っていく。
(安藤聡)
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