田原市はシティプロモーションに尽力したように見えた1年だった。象徴的だったのは2020年東京五輪の正式競技に追加されたサーフィン競技の会場誘致。山下政良市長がトップセールスとして、国の五輪関係機関に出向き要望者を提出するなど誘致活動を大展開した。
都市圏との距離から、誘致はかなわなかったものの、市長は「サーフィンのまち・田原をアピールできた」と成果を話す。
市の魅力発信や知名度向上などに貢献してもらう「ふるさと大使」も厚みを増した。テレビなどで大活躍しているお笑いコンビ・オアシズの大久保佳代子さんと光浦靖子さんらを新たに委嘱。2人を起用した観光案内冊子も作った。
夏には、ナゴヤドームで開催されたプロ野球セ・リーグの試合でゲームスポンサーとなり、田原をPR。全国屈指の生産量を誇る地元産メロンの需要拡大と消費喚起を狙い「渥美半島田原市メロンの日」を制定、農産物のブランド力を発信した。
今や自治体の“トレンド”とも言える「ふるさと納税」では、インターネット上の有名サイト「さとふる」に登録し、寄付件数は前年比で爆発的に急増した。返礼品は、肉類などの食べ物系が人気傾向になっている。
スポーツの話題では年明け早々、元日のニューイヤー駅伝で田原を拠点とするトヨタ自動車が連覇を達成。トライアスロン伊良湖大会は30回の節目を迎え、根強い人気ぶりを見せた。
教育行政面では、春に市立野田中学校が田原中へ統合。さらに伊良湖岬中が福江中へ、泉中が赤羽根中への4中学校統合が決定した。少子化の波が目に見えるような形となった。
自治体が運営する市立として全国唯一の介護福祉士養成校・田原福祉専門学校は、開校20周年を迎えた。卒業生は田原、豊橋両市をはじめ、県内外の福祉施設の介護現場などで活躍し、学校は人材育成・確保の面から地域福祉を支えている。
防災面では、旧堀切小学校跡地で津波避難マウンド(人工高台)の基礎工事がスタート。子育て環境整備では山北保育園で休日保育が始まった。イベント関連では、休暇村伊良湖を会場に花を扱った市内初の大型イベント「渥美半島・花の超祭典」が開かれ、大盛況だった。
(千葉敬也)