豊橋市は今年、市制施行110周年を迎えた。記念事業が展開されているほか、小中一貫校の開校、市民病院高度放射線治療棟の完成、まちづくりの指針・第5次総合計画後期基本計画の始動など、市の節目と共に東三河の中心都市・豊橋のさらなる発展に向け、新たなステップを踏み出した。秋の市長選では佐原光一市長が3選を果たした。
市制施行記念日の8月1日には、記念式典が開かれた。市の発展に尽力、功労のあった人をたたえ、佐原市長は式辞で「豊橋に関わる1人ひとりが、今一度自分たちのまちに目を向け、出会いや交流を通じて魅力を発見し、新たなまちづくりの活動を生み出す契機にしたい」と述べた。
式典では、中部ガス相談役・神野信郎さんの名誉市民推戴式も実施。名誉市民は26年ぶりの11人目となった。また、同市出身の元SKE48メンバーで女優・松井玲奈さんを「豊橋ふるさと大使」と、初めての「豊橋カレーうどん大使」に委嘱した。
3月には、主要地方道東三河環状線で「乗小路トンネル」が開通。多米町と牛川町を結ぶ1・1㌔で、地元住民らが待望の開通を祝った。市東部、北部両地域の利便性が向上し、救急搬送の時間短縮にもつながっている。
4月からは東三河初の小中一貫校「前芝学校」が開校。前芝小学校と前芝中学校で実施し、学びのつながりを重視した教育を展開している。
市民病院では秋、がん治療の柱の一つ放射線治療を充実、強化するため整備した高度放射線治療棟が完成。最新の治療装置を導入し、より効果の高いがん治療が可能となった。医療技術の向上などを図るための研修センターも設けられた。
子育て関連では、妊娠・出産・子育て総合相談窓口が開設された。
秋には任期満了に伴う市長選が行われた。佐原市長が一騎打ちを制し、11月17日、3期目をスタートさせた。市議会12月定例会で「人口減少社会に立ち向かう『持続可能な未来の豊橋』を市民の皆さんと共につくっていく」と所信を述べた。
スポーツでも話題の多い年だった。男子プロバスケットボールの新リーグ、Bリーグに三遠ネオフェニックスが参戦。市総合体育館をホームアリーナとし、初のプロスポーツチームが誕生した。
リオデジャネイロ五輪には、豊橋出身の3人が出場。7人制ラグビーの彦坂匡克選手(トヨタ自動車)とバスケットボール女子の髙田真希選手(デンソー)、陸上の鈴木亜由子選手(日本郵政グループ)を市民らが応援した。
また、家庭ごみの「もやすごみ」と「こわすごみ」に指定ごみ袋制度が導入されたほか、旧東海道二川宿地区が都市景観大賞、穂の国とよはし芸術劇場プラットが国内の優良な建築物に贈られる「BCS賞」を受賞し、豊橋技術科学大学が40周年という話題もあった。
(中村晋也)