2016回顧⑧選挙 参院選愛知選挙区 与党圧勝、民進も2議席

2016/12/31 00:01(公開)
3選を果たし、恭子夫人とバンザイを繰り返す佐原氏㊨=豊橋市内で(11月13日撮影)
参院選
 第24回参議院議員選挙が7月10日に行われ、与党の圧勝で終わった。愛知選挙区は改選数が1増えて4となり、自民の藤川政人氏(56)が圧勝で再選を果たした。連立を組む公明の新人・里見隆治氏(49)は初当選した。2人を擁立した民進は斎藤嘉隆氏(53)が再選を決め、新人・伊藤孝恵氏(41)が初当選を果たし、2議席を獲得した。選挙権が20歳以上から18歳以上に引き下げられた初の国政選挙だった。
 選挙戦はアベノミクスへの評価、消費増税延期に伴う国内の経済対策、憲法改正などが争点となった。選挙権年齢の引き下げによる投票率も注目された。
 愛知選挙区には現職2、新人7の計9人が出馬し、6月22日の公示以来18日間にわたる舌戦を展開。
 出馬したのは幸福実現新人の中根裕美(42)▽日本のこころ新人の井桁亮(46)▽公明新人の里見隆治▽減税日本新人の奥田香代(52)▽共産新人の須山初美(38)▽社民新人の平山良平(68)▽民進新人の伊藤孝恵▽自民現職の藤川政人▽民進現職の斎藤嘉隆-の9氏(届け出順)
 自民は確実な議席獲得を狙い、藤川氏に絞って有利な戦いを展開。街頭演説や個人演説会などで支持層を固め、96万1000票を獲得してトップ当選した。
 公明の里見氏は基礎票をきっちり固めたほか、自民の支持層にも支援を受けて選挙戦を展開。高らかに万歳三唱した。
 2人を立てた民進はともに当選を果たし、かつての「民主・愛知」を象徴した形。齋藤氏は支持団体などを固めて支持拡大。新人の伊藤氏は街頭での活動を重視して知名度アップ、政策の浸透などを図った。
 愛知選挙区での投票率は55・41%。前回(2013年7月21日執行)よりも2・76ポイント上がった。
(安藤聡)

豊橋市長選
 秋には、東三河のリーダー都市・豊橋市で任期満了に伴う市長選が行われた。11月13日に投開票、即日開票され、現職の佐原光一氏(63)=無所属、自民、公明、連合愛知豊橋地域協議会推薦=が、新人の共産党東三地区副委員長・串田真吾氏(40)=無所属、共産推薦=を破り、3選を果たした。得票数は4万票近く開き、佐原氏が圧勝した。
 今回は大きな争点はなく、少子高齢化による人口減少が進み始めた中、東三河の中心都市・豊橋の今後のまちづくりや広域連携の在り方などが問われた。
 佐原氏は3月、市議会定例会で出馬を表明。以後、対抗馬が現れず、無風の気配もあったが、告示3週間前の10月中旬、串田氏が立候補を表明した。
 厳しい戦いを強いられた前回の選挙を教訓に、市内各校区で後援会を設立するなど3期目への支援体制を構築してきた佐原氏。選挙戦では、後援会や推薦政党・団体、同級生に支えられ、戦いを有利に展開した。2期8年間の成果と、人口減少やICT(情報通信技術)などが進む社会に備えた地域ビジョンなどが支持につながった。
 一方、串田氏は出遅れが否めない中、共産の県議、市議らの支援を受けながら子育てや若者の支援、「安倍暴走政治の防波堤」などを掲げて市政の転換を街頭などで訴えたが、有権者に響かなかった。
 選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の市長選にもなり、注目された投票率だが、29・82%で過去最低。低投票率が続き、今後の豊橋に課題を残した。
(中村晋也)
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