2017(平成29)年が始動した。豊橋市は、次代を見据えた最先端施設が稼働する年。市内初となる道の駅整備も本格化するほか、計画されているまちなか図書館(仮称)などを含む駅前大通2丁目地区再開発事業も動き出す予定だ。今年の東三河を展望した。
豊橋市は昨年、市制施行110周年の節目を迎えた。展開されている記念事業を3月31日に終える。同月上旬には、初の「ええじゃないか豊橋映画祭」が開催される。
その3月には、盛んな施設園芸のさらなる振興に向けて、大規模ミニトマトの実証栽培施設として「次世代施設園芸愛知県拠点」が新西浜町の県豊川流域下水道豊川浄化センター敷地内に完成する。
農水省の「次世代施設園芸導入加速化支援事業」で実施されている一つ。企業や第3セクター、農協、大学、県、市などで構成する「愛知豊橋次世代施設園芸推進コンソーシアム」が取り組んでいる。
大規模なハウス2棟でミニトマトを栽培。完全人工光型の育苗施設、選果などを行う集出荷施設なども備え、生産から集荷、出荷まで一貫してできる拠点とする。
情報通信技術(ICT)を活用し、高品質、高収量で周年出荷を可能とするミニトマト栽培の技術を実証。真冬でも最低19度という浄化センターの放流水を利用した加温技術の実証も進め、重油使用料の3割削減を目指す。
ここで得られた先進的な技術やノウハウは地域の施設園芸、担い手育成などに役立てる。
10月の稼働を予定しているのが「バイオマス資源利活用施設」。生ごみ、下水汚泥などをメタン発酵処理し、発生したバイオガスを発電に利用する。神野新田町の市公共下水道汚泥処理施設・中島処理場内で整備が進められている。
バイオガスは発電、発酵後の汚泥は炭化燃料に活用され、生ごみなどのバイオマス資源が100%エネルギー化されることになる。
市内から出る生ごみは“資源”としてこの施設で使うため、4月からは指定ごみ袋による分別収集が始まる。
市内初の道の駅「とよはし(仮称)」は、来年3月の“開駅”を目指す。東七根町の国道23号名豊道路豊橋東バイパス七根インターチェンジ(IC)周辺で着工し、いよいよ市民の目に見える形となる。
市中心街でも、豊橋駅東口・駅前大通2丁目地区の再開発事業計画が進行。新たなまちづくりへと踏み出す。長年、市民に親しまれてきた名豊ビルなどを取り壊し、17年度着工を目指す再開発ビル・東棟に市のまちなか図書館が入る。
また、豊橋市は江戸末期の民衆運動「ええじゃないか」の発祥地とされ、1867(慶応3)年に起きた社会現象から150年の年。「ええじゃないか」は現在、まちづくりのキーワードになっており、その取り組みも注目される。
(中村晋也)