蒲郡市の竹島水族館隣に３月１日、乗ってきた自転車とともに休める“チャリカフェ”がプレオープンする。飲食店などに勤めていた鈴木芳（かおる）さん（44）＝同市西浦町＝が、同じ自転車を趣味とする妻・由美子さん（38）とともに創業するもので、屋号は「ＣＨＡＲＩ‐ＣＡＦＥ　ＰＯＴＴＥＲ（チャリカフェ・ポッター）」。地元サイクリスト待望のこのカフェは、日本政策金融公庫豊橋支店と蒲郡信用金庫の連携融資を受け、４月８日にグランドオープンの予定だ。
　チャリカフェとは、自転車（チャリ）を店内に停めて休憩できるカフェのことで、高価な自転車でも盗難に遭わないメリットなどから、首都圏を中心に全国へ波及しつつある。しかし風光明媚（び）な竹島エリアには、自転車乗りの休憩所がないことに着目した鈴木さん。「自転車によるコミュニティを通じて、人と地域をつなげる架け橋に」というコンセプトから、今回の起業に踏み切った。夫妻ともに蒲郡商工会議所の創業塾で学び、事業計画策定の支援を受けた上、資金調達面で両金融機関から計１５００万円の融資を引き出した。
　屋号のポッターは「自転車でのぶらぶら散歩」を意味する言葉。水族館も同居する「竹島パルク」の空き店舗を改装する。店舗面積約１３０平方㍍。ロードバイクなど14台収容のサイクルラックを設け、客席数40を予定しており、「（サイクリングによる）疲労回復とエネルギー補充ができる健康メニューを用意したい」と鈴木さん夫妻。もちろん自転車なしでも入店できる。趣味の自転車を通して、地域活性化に役立ちたい、と意気込んでいる。
（藤田彰彦）