豊橋美博友の会30周年記念講演会で白洲次郎氏の孫・信哉さんが「日本の美」語る

2017/04/22 00:00(公開)
日本の美について語る白洲さん=プラットで
 豊橋市美術博物館友の会(宮田正人会長)は21日、創立30周年を記念し、文筆家で日本文化の普及に努める白洲信哉さんを迎えた講演会を豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットで開いた。
 白洲さんは「日本一かっこいい男」とも呼ばれる実業家の白洲次郎氏の孫で、書籍の編集や展覧会など文化イベントの制作に携わる。
 この日は、友の会会員約110人を含む約250人が「日本の美を語る」と題した講演会に聞き入った。
 宮田会長のあいさつのあと、第1部がスタート。白洲さんは「地方色や各地の文化の違いが日本の美。分かりやすく説明することが難しい」とした上で、「日本の美とは多様性であり、個人的なもの」と説明した。
 それぞれ漆のはげ方が違う700年ほど前の根来(ねごろ)などを例に「美術は現在進行形のもの。焼き物は大事に使うことで器が育つという。完成の形はない」と語った。
 国内の美術館についても触れ、展示方法や、館内で写真やデッサンが禁止されている現状に「日本は非常に過剰。文化は産業。新しいことをつくる場所になってほしい」と要望した。
 2部では、白洲さんが古美術評論家の青柳恵介さんと「次郎と正子 愛の56年」と題し対談した。
(飯塚雪)
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