「どうまい牛乳」発売10周年

2017/06/03 00:01(公開)
「みなさんにおいしい牛乳を届けたい」と搾乳する内柴さん=田原市野田町で
 6月は「牛乳月間」。田原市のJA愛知みなみ田原酪農部会と豊橋市の中央製乳が共同開発した「どうまい牛乳」が、今年で発売10周年を迎える。地域のブランド牛乳として地元に根付き、東三河地域を中心に愛飲者は多い。
 地産地消と顔の見える販売を目指し、生産者の思いから発案された同商品は「田原産生乳100%使用」が売り。一般的に牛乳は搾乳からパック詰めまでの工程で、少なくとも48~72時間程度かかると言われるのに対し、どうまい牛乳は24時間以内に工程終えるため、コクのある風味を損なわず、鮮度抜群のまま消費者に届けられる。
 同部会は田原市野田、神戸両地区を中心とした酪農家たち。発売当初は22戸だったが、廃業や転業など時代の流れを受け、現在は30~70歳代の13戸。全体的な搾乳牛の規模は1000頭弱で、中央製乳の専用車が晩に1日1回、各戸を回って集乳する。生乳は365日休まず供給され、部会専用タンクで管理されることで田原産100%を可能にしている。
 販売先は、東三河をはじめ、県内各地のスーパーと静岡、岐阜、三重県にも進出。販売本数の実績は発売翌年となる2008(平成20)年の年間合計販売本数が約29万2000本、09年には約34万1000本、11年に40万本台を突破すると、13年には歴代最多の約45万4000本を記録。16年を見ても約41万5000本で40万本台を維持するなど、人気と愛飲者の定着を物語っている。
 月間販売本数は約3~4万本前後で推移し、現在は月間5万本が目標。ヨーグルトや食パン、クッキー、レトルトカレー、プリンなどの派生商品も誕生しているほか、豊橋、田原両市では「ふるさと納税」の返礼品としても取り扱われるなど発展を遂げている。
 同社の草柳朋・販売第1部長は「国内的に牛乳の消費量は落ち込みがちだが、どうまい牛乳は緩やかではあるが消費量を伸ばしている。価値を認めてくれている根強いファンがいる」と固定の愛飲者の存在が人気の背景にあると説明。消費宣伝活動として毎年実施しているキャンペーンのアンケートでも好評の声が多く寄せられるという。
 現在、部会長を務めるのは酪農家・内柴孝昇さん(61)=野田地区。43頭の搾乳牛を育て、1日当たり約1㌧を搾乳、1頭当たりで約30㌔分という。「(単価の関係で)正直、売れるかどうか最初は分からなかったけど、ここまで順調にやってこれた」と10年を振り返る。酪農家の減少や後継者不足は気にかかるが、試飲会などを通じて「月間5万本を達成したい」と展望を話す。
 3日には、10周年の歴史と取り組みを振り返る記念式典が関係者らにより市内で行われる。
(千葉敬也)
「どうまい牛乳」(中央製乳提供)
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

光生会 虹の森 蒲郡信用金庫 さわらび会 藤城建設 住まいLOVE不動産 パーソナルカラー診断の名古屋・愛知
158商品のおすすめドッグフードを比較 hadato 肌を知る。キレイが分かる。 全国郷土紙連合 穂の国