東三河でも21日、猛烈な雨が降り、24時間降水量(午後4時40分現在)が豊橋市で132・5㍉、田原市伊良湖は135㍉と6月の観測史上最大の雨量となった。記録的な大雨となったが、人的、物的に大きな被害はなかった。
豊橋市
豊橋市内では、梅田川ではん濫危険水位(3・7㍍)を超え、高師、磯辺両校区の165世帯387人に避難勧告、6人が避難した。近くのグループホームからも32人が自主避難した。
避難判断水位(2・6㍍)を超えた柳生川では、松山・福岡校区2007世帯4595人に「避難準備・高齢者等避難開始」を発令したが、避難した人はいなかった。
今年3月、高齢者らが避難を始める段階であることを明確にするため「避難準備情報」の名称が「避難準備・高齢者等避難開始」に変更され、初となる発令。市防災担当の夏目幸宏専門員は「名前の変更や意味の周知が足りていないのかもしれない。今後とも継続して広報したい」と話している。
ほかにも、大岩町で車3台が冠水する被害があった。
豊川市
豊川市は西部地域を流れる音羽川の水位上昇を受け、同地域に避難情報を発令した。
音羽川と佐奈川の水位が水防団待機水位を超えたため、午前11時15分に災害対策本部を設置。午後1時過ぎには、音羽川流域に避難準備・高齢者等避難開始を発令し、国府市民館、御油公民館など7カ所を避難所として開設した。同市民館には、地元在住の2世帯5人が避難した。
水位も下がり、土砂災害警戒情報も解除されたことから、午後1時45分に避難情報を解除した。
田原市
田原市では堀切町の市道で倒木があった。木は、太さ約50㌢で高さは10㍍程度。民家に立てかかるように倒れ、午後には撤去された。民家に住む住民によると、雨樋に傷みが見られるという。
また、大草町の汐川上流、西野橋近くでは川の越水が確認された。
新東名・鉄道
新城市では昼過ぎまで大雨となり、新東名高速道路が通行止めとなった。
中日本高速道路では新戸川橋(同)と新佐奈川橋(豊川市)での雨量が規制値を超えたため、午後0時45分に新城ICと岡崎東IC間、同1時2分に浜松浜北ICと新城ICをそれぞれ同7時20分まで通行止めとした。
また、雨や強風のため、東海道新幹線や東海道本線、飯田線、名古屋本線の上下線で運休や遅れが生じた。
宇連ダム
一方、この大雨で減少していた豊川用水の水源・宇連ダム(新城市)の貯水量が増加した。水資源機構豊川用水総合事業部によると、この日午前3時から午後6時までの降水量は130㍉。貯水率は同日午前0時時点で27%だったが、午後6時時点で32%に回復した。
学校
県教育委員会によると、大雨により、東三河では、田原市立福江中学校と県立豊川特別支援学校、豊橋市立くすのき特別支援学校が臨時休業。田原市立伊良湖岬中で授業が遅延した。
通行止めを知らせる新東名高速道路本線上の電光掲示板=新城IC付近で