戦地は飢え死になど過酷

2018/03/25 00:00(公開)
参加者からの質問に耳を傾ける伊藤さん(手前)=設楽町田口で
設楽で伊藤さんニューギニアの体験語る

 奥三河九条の会主催の「憲法カフェ」が24日、設楽町田口の田口特産物振興センターで開かれた。元小学校長の伊藤重一さん(97)=田口=が太平洋戦争中に赴任したニューギニアでの出来事を講演し、「戦地では国のためにという緊張感でいっぱいだった。終戦を知ったときは“やれやれ”と思った」と振り返った。
 伊藤さんは1920(大正9)年生まれで、20歳で教職に就いた翌年の41年に陸軍航空教育隊に入隊。43年に鈴鹿飛行学校教官に就き、ラバウル、ニューギニアへ赴任した。
 約50人が聴講に訪れた。伊藤さんは終戦をニューギニアの原住民からビラ紙で知ったという。「やれやれと思ったね」とし、「一生懸命戦わなければならないとずっと思っていたから」と語った。
 ニューギニアでは4000㍍級の山中を移動したり、仲間が熱病にかかったり、飢え死にするなど過酷な状況だったことを紹介。参加者からは戦争末期に弾薬や食料が不足した状況から戦争継続していたことへの質問があり、伊藤さんは「内地(日本本国)で国民であった人はそう思うかもしれない。戦地では死ぬことが当たり前だし、必死だった」と熱く語った。
 また原住民との触れ合いを通して「うそや殺りくを行っている国が発展していき、正直で純粋な住民たちがいる国もある。文明とは何かという思いがわき起こった」と話した。
(安藤聡)
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