田原で江崎夫妻の追悼慰霊

2018/06/23 00:00(公開)
殉職地で手を合わせる参列者ら=田原市加治町で
 自らの身を犠牲にして村人の命を守った江崎邦助巡査(享年25歳)と妻・じうさん(同19)夫妻の命日を前に22日、2人をしのぶ133回忌の追悼慰霊が田原市内の殉職地と墓所で営まれ、田原署幹部らが参列、手を合わせた。
 江崎巡査は1886(明治19)年、疫病コレラが大流行する中、豊橋警察田原分署(現・田原署)に着任。渥美半島一帯の巡察を担当しているとき、堀切村(現・堀切町)で感染者が確認された。当時の警察官は保健衛生も職務とされていたため、防疫任務として村の消毒を試みようとしたが「コレラと分かれば毒殺される」との噂が飛び交うなどして、村人から激しい抵抗を受けた。
 説得を続け、ようやく村人は消毒に応じたが、巡査自身がコレラに感染。同年6月23日、妻のじうに看病されながら亡くなった。3日後には、じうもコレラにより生涯を終えた。
 加治町内の殉職地ではこの日、同幹部らをはじめ、同署駐在所連絡協議会伊良湖地区協議会委員や警友会員ら約20人が石碑に手を合わせ偉業をしのんだ。その後、田原町の蔵王霊園内の墓所にも訪れ参拝を行った。
(井嶋義典)
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