舗装が傷み、道路がでこぼこしていることが近年、目立っている。理由は道路の維持・補修費の不足という。豊川市を例に考えてみた。
市が管理する道路(市道)は総延長1708・3㌔。これを3区分に分けており、国道151号や姫街道とつながるなど幹線道路網の1級は85・4㌔、それを補完する重要な道路の2級は105・7㌔ある。これ以外は住宅地などを走る道路となっている。ほぼ舗装されている。
市では1級と2級のうち、大型車両などの通行が多い重要な道路約130㌔について2022年度に路面状況を調査した。道路の修繕は、ひび割れ、わだちの掘れ量、でこぼこの度合いを示す平たん性などを考慮して、国の示す指標を使って判断する。その結果、全体の6%に当たる約8㌔について舗装の打ち換えが必要との結果が出た。
この8㌔を毎年800㍍ずつ、10年かけて進めていく。なぜ1年で800㍍しかできないのか。これは予算に限りがあるからだ。
市では道路の維持補修事業費として、22年度決算で国の補助を含めて1億9779万円を使っている。これは舗装の修繕だけでなく、ガードレールなどの応急修繕、草刈り、街路樹の枝切り、側溝の土砂撤去なども含む。800㍍の舗装を打ち換えるには、概算で4000万~5000万円かかる。約2億円の予算ではこれが限界という。
修繕が必要な道路の多くは、高度成長期に整備された。50年以上が経過し、大型車などの交通量が多い道路は、舗装が傷み、修繕が必要な時期を迎えている。
だが道路整備は、まだ完全ではない。東三河環状線や国道151号バイパスなど、都市計画に盛り込まれている道路のうち、完成していない部分が多い。道路はすべてつながってこそネットワークができて、機能が発揮できる。まだまだ整備へ予算を回さなければならず、おのずと補修費は厳しくなる。
また市全体でみると、社会保障、公共施設や学校の整備など、バランスよく配分する必要があり、道路を重点的にすることは難しい。
道路は日々、老朽化が進んでおり、今後も修繕する場所が増えてくることが予想される。市の担当者は「大きな穴が開くなど、事故の危険性がある場所は、すぐに対応する。舗装の打ち換えも、市内の道路状況を常に調べ、計画的に進めていく」と話すものの、「予算の制約があるのも事実。でこぼこを完全になくすのは難しい」と語る。
どの自治体も状況は似ている。今後、道路の維持・管理と修繕が大きな課題になることは間違いない。
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1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。
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