豊川は投打がかみ合い、５回コールド発進した。初回に相手のミスや２本の適時打で３点を奪うと、３回には家田がスクイズし、二塁走者の降旗も一気に生還して２ランスクイズに成功。５回もクリーンアップの３連打で３点を奪った。投げては星野、米庄、疋田の継投リレーでピシャリ。三河地方屈指の選手層の厚さを見せつけた。
　優勝候補とされた昨夏東愛知大会では、準決勝で西尾東にコールド負け。悔しさを糧に１年間汗を流してきた。チーム初安打を含む３安打１打点と活躍した主将・執頭は「内容的にもいいスタートを切ることができた」。左右両方向への打撃で３安打２打点と躍動した立花も「積極的に甘いボールを仕留めることができた。メンバー外の選手も一体となって戦えた」と振り返った。

▽３回戦
豊川
３０３１３｜10
０００００｜０
新川
（５回コールド）
（豊）星野、米庄、疋田－家田
（新）西田、近藤秀、南－平田
（岡崎市民球場）

全芯全霊　エースのハプニングカバー　星野投手

　豊川は、背番号18の星野新（あらた）投手（３年）が大会初戦の先発マウンドを託された。持ち味のストレートで押し、３回を１安打３奪三振で無失点に抑えた。
　９日の練習中、エース菊間悠斗投手（３年）がボールが鼻に直撃するアクシデントで負傷し、大事を取って登板を回避。代わりにチームの“開幕投手”を任されたのが星野だった。「自分がやってやろう」と強気に臨んだマウンドを「緊張したけど、コースに投げ分けることができた」と満足げに振り返った。
　両親の「新しいことに挑む」「新しいものを築く」という思いで「新」と命名された。三重県の故郷を離れて越県入学。今年２月に右手首を痛め、最後の夏はメンバーに入れるか微妙だった。背番号１こそ菊間に譲ったが、プロなどでエースナンバーとされる「18」を背負って戦っている。「自分がエースのつもりでチームの勝利に貢献したい」と“新エース”に名乗り出た。