豊橋技科大 大学発ベンチャーに「ABSST」

2019/07/24 00:00(公開)
大学発ベンチャーの称号を手にする大西学長(左から2人目)と黒木社長(同3人目)。㊨は澤田教授=豊橋技術科学大学で
大学発ベンチャーの称号を手にする大西学長(左から2人目)と黒木社長(同3人目)。㊨は澤田教授=豊橋技術科学大学で
 豊橋技術科学大学は、大学の研究成果を応用して事業化を目指す大学発ベンチャーにアロマビットシリコンセンサテクノロジー(川崎市、黒木俊一郎社長、通称ABSST)を認定し、23日、学内で称号を授与した。これまでも同ベンチャーを創出しているが、認定制度を設けてから第1号となる。
 ABSSTは、技科大の澤田和明教授らが開発した超高感度シリコンCMOS(シーモス)型イオンイメージングセンサーの基盤技術に、黒木社長が代表を務める会社アロマビット(東京)が生み出したニオイ受容体膜を応用、スマートフォンやIoT機器に搭載可能な超小型で低コストの上、高解像度のシリコンCMOS型次世代ニオイセンサーの開発事業化を加速させる。
 1㍉角の素子サイズに“犬の鼻”相当の高いニオイ解像度を持つニオイセンサーの開発実現が期待されている。
 社会に提供できるようになると、例えばワインの香りを客観的に表現でき、人による長年の経験、勘が主だったワインや酒の香り、人の口臭による病気の疑いなどが可視化できるという。
 大学発ベンチャーは、企業、大学の産学がそれぞれの役割分担を明確にしつつ、事業化の成功率を高めることが可能。大西隆学長は「大学の研究成果を皆さんが使う製品やシステムに生かすことができればと思う」と期待を込めて話し、黒木社長は「スマホ、IoT機器に載せられる新たなニオイセンサーの道筋ができ、日本の産業力、競争力に役立つと思う」と話した。
 ニオイセンサーをめぐっては、一昨年、技科大と浜松ホトニクス、アロマビットなど6機関で共同事業体、コンソーシアムを発足。昨年にはその成果として「かおりカメラ」を発表した。開発事業を加速化させる体制を整備するため、ABSSTを設立した。
(中村晋也)
素子サイズが1㍉角のシリコンCMOS型次世代ニオイセンサー
素子サイズが1㍉角のシリコンCMOS型次世代ニオイセンサー
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