南海トラフ地震発生を想定した豊川市総合防災訓練

2019/09/02 00:01(公開)
消火器による初期消火訓練に臨む市民ら=豊川駐屯地訓練場で
 豊川市は1日、陸上自衛隊豊川駐屯地訓練場を主会場に総合防災訓練を実施した。静岡、三重県沖を震源とするマグニチュード9・0(最大震度7)の南海トラフ地震が発生したと想定。行政や企業、住民組織など44機関・団体から約1000人と、関係車両約50台が参加した。
 地震が発生したとする午前8時31分、市内に一斉にサイレンが鳴り響き、訓練開始。がれきの崩落によって埋もれた車からの救出訓練では、実際に乗用車を使って消防隊らが救出活動を展開。工具を使ってフロント部分をこじ開け、中から被災者を救出した。
 自衛隊員らによる救出活動や物資運搬、中部電力豊川営業所による電力復旧や、豊川建設業協会や豊川造園建設協同組合による陥没道路の補修や倒木の除去作業も行われた。
 市民らによる消火器を使った初期消火や、担架を使った負傷者搬送応急処置、非常食作りも実施。情報提供や避難所への物資供給の観点では市と災害協定を締結する各企業も参加し、Gテクノは太陽光発電の自立式移動型トイレ、セッツカートンは段ボールで組み立てる避難所用ベッド、市内の畳店は避難所向けの畳を供給。Aコープあいちによる御油小学校への食糧調達も行われた。
 訓練は御津町と小坂井地区の津波浸水想定区域でも同時進行され、各地で住民らの避難訓練が行われた。
 講評で、山脇実市長は「各自が的確で迅速に取り組んでくれて、心強く感じた。災害が起きた時には、行政による公助には限界がある。安心安全なまちづくりのために、市民が共助の意識を持ってほしい」と呼び掛けた。
(由本裕貴)
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