解体する市営住宅の住警器 豊橋市が再利用

2019/10/03 00:01(公開)
 高齢者を住宅火災から守るため、豊橋市は、解体する市営住宅の住宅用火災警報器(住警器)を再利用し、高齢者世帯などへの設置を促進する事業に乗り出す。市消防本部と福祉部局の地域包括支援センターが連携、設置状況を把握した上で、消防職員が訪問して未設置の高齢者世帯などに無料で取り付ける。
 住警器の設置は義務化され、同市も2008(平成20)年6月から、すべての住宅の寝室と、台所、階段(2階以上に寝室がある場合)への設置を条例で定めている。
 市によると、住警器の普及により、全国で住宅火災は減少、死者も07年に1148人だったのが17年には889人となり、23%減少。県内も減っている。ただ、高齢者の占める割合が増加している。
 そこで、市は解体する市営住宅に着目。まだ利用できる住警器を廃棄しないで再利用し、高齢者宅へ設置していくことにした。住警器の再利用は全国でも初めてという。
 設置対象は、65歳以上の高齢者で、1人暮らしや高齢者世帯、避難に際し支援の必要な高齢者宅など。
 高齢者宅を定期に訪れている地域包括支援センターの協力で設置状況などを調査し、その上で、未設置の高齢者宅に消防職員が出向いて取り付ける。
 最初に再利用を計画しているのは、11月に解体する市営西口住宅(F棟西)で4年使われていた90個。作動、故障の有無などは確認済み。今後も市営住宅の解体があり、当面、この90個を含む540個の再利用が見込まれている。
 住警器設置の義務化から10年が経過し、メーカーによると、当初取り付けた警報器は取り替え時期を迎えているという。
(中村晋也)
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