熱中症患者の救急搬送 県がマスク有無を調査

2020/06/12 00:01(公開)
厳しい日差しの下でマスクをする高校生=豊橋市内で
県は毎年、熱中症による救急搬送数を公表しているが、今年から熱中症で死亡した人がいた場合は、マスクを着けていたかどうかを確認し、報告するよう各地の消防本部に通知した。10日付。新型コロナウイルス対策の「新しい生活様式」によって、マスク着用が日常化しているが、感染拡大防止と熱中症対策の実態を調べる目的がある。
 県は毎年、暑くなる時期に日々の熱中症搬送状況を取りまとめ、公表している。今月も1日から始めた。9日の搬送者数は18人だった。
 昨年は5月1日から9月30日までの集計で、県内で4705人が熱中症の疑いで救急搬送され、5人が死亡した。総務省消防庁の統計によると全国では同年5~8月に熱中症で搬送されたのは7万1317人に上った。18年は全国で9万5127人、県内は6635人だった。
 県が各消防本部に求めたのは、患者が死亡した際に記入する詳細様式の項目で、従来から「屋外、屋内の別」「持病の有無」などを救急隊員が書いていたが、新たに「マスクの有無」も加えた。感染防止と熱中症対策との両立に関心が集まっていることから、県民への注意喚起につなげる方針だ。ただ、救急車が到着した際に、熱中症患者がマスクを着けたままにしている可能性は低いため、分かる範囲での記入となる。日々の統計上も公表はしないとしている。
 県内では、8日に豊田市に在住の50代の女性が熱中症の疑いで死亡した。県や豊田市は、マスク着用の有無は不明としている。
 県消防保安課は「マスクイコール熱中症と単純に考えないでほしい。厚生労働省のガイドラインに従い、適切なマスク着用による感染予防と熱中症対策を」と話している。
 厚労省は5月26日付で都道府県などの熱中症を担当する部局に対し、「熱中症予防行動について」と題する事務連絡を出している。
 それによると、夏季に気温や湿度が高い状況でマスクを着用すると、熱中症のリスクが高くなると指摘した。
 対策として屋外で人と十分な距離(少なくとも2㍍以上)が確保できる場合は、マスクをはずすように▽マスクを着用している場合は、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心掛ける▽周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクをはずして休憩する▽冷房時でも換気扇や窓の開放によって換気をする▽熱中症予防のためにエアコンの温度設定をこまめに調整する▽日頃の体温測定、健康チェックを▽「3密」を避けつつ、熱中症になりやすい高齢者、子ども、障害者への目配り、声掛けを-などと呼び掛けている。
 さらに、以前からの熱中症対策として「暑さを避ける」「こまめな水分補給」「暑さに備えた体作り」が必要としている。特に、外出自粛要請が続いたため、体力が低下したり、暑さに慣れていない体になっている人が少なくない。「暑さ指数(WBGT)」などを参考に、無理のない活動をすることが重要だ。
(山田一晶)
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