豊橋消防本部は、高齢者福祉施設向けに、高齢者が病気やけがなどで救急搬送される前に、円滑な対応ができるよう「救急ガイドブック」を作った。
高齢化社会の進展で救急出動件数は年々増加している。市も同様で2019年は全搬送者のうち、65歳以上の人が約6割を占める。階段から転倒するなどの「一般負傷」は1702人中、高齢者が1288人を占めている。また、「急病」が9123人中5713人などとなっており、「交通事故」「その他」に比べて割合が高い。
そこで、消防本部は市の関係各課や介護保険関連事業者等連絡会と連携し、連絡会加盟の入居型高齢者福祉施設の60事業所にこのガイドブックを配布することで、緊急時のスタッフの迅速な対応、救急隊員への的確な引き継ぎができるようにした。
内容は事故や病気を未然に防ぐ「予防救急」と、いざという時の備えや救急車を呼ぶ時のポイントが解説されている。スタッフが119番する際は「できるだけ患者の近くで」とアドバイス。応答職員からの応急手当についての口頭で指導が受けられるほか、容態変化や病院への迅速な搬送につながるとしている。また、携帯電話のハンズフリー操作(スピーカーホン)を事前に確認しておくことで、救命措置をしながら通話ができると紹介している。
さらに、近年増えているDNAR(蘇生措置拒否)の意思表示がある場合にも触れた。DNARの意思表示がある場合でも、原則、救急要請があれば救急隊は応急処置を何もしないでの病院搬送はできないとして、理解と協力を求めた。
また、搬送時に隊員が必要とする情報を事前に記入しておく「救急連絡シート」を作ることで、スタッフと隊員の引き継ぎがスムーズにできる。既住歴やかかりつけ医、服用薬、アレルギーなどを記載する。
救急ガイドブックは豊橋市のホームページ=QRコード=からもダウンロードできる。
今後は、事業所連絡会に入会していない入居型施設にも配布する予定。
【林大二朗】