伊良湖神社奉賛会と氏子総代会は25日、田原市日出町の同神社で31日に催す年越し祭礼「ごせんだら」の呼び物で知られる「火祭り」などの中止を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大が続いているたため。長い歴史をみても中止は初という。
火祭りのほか、大みそかの夕方から子どもたちが神社までの集落を練り歩く「ヨーイヤサ」も中止する。元日の神事は関係者のみで営むが一般の参拝も可能。
海洋民族が先祖とされる地域で、豊漁祈願や無病息災を願う祭礼として江戸時代に始まったとされる。「せんだら」は、サンスクリット語で「南方印度(天竺=てんじく)の民」を意味するとされる。
呼び物は境内で起こした豪快なたき火を使っての「火祭り」。燃え盛る御神火に裸男が次々とたいまつを放ち、舞い上がる火の粉を浴びて無病息災を願う。
例年、元日午前0時過ぎに観光客など一般にも開放し、火が消える同1時半頃まで大勢の参拝客でにぎわう。戦前まで境内のあった伊良湖岬付近の宮山で催し、山の炎が対岸からも見えた。
氏子代表の糟谷寛文さん(69)は「これまで中止されたという記録はない。雨でも強風でも続いた行事だ。観光客など一般見物客も多く、感染拡大を防止するための苦渋の選択」と説明した。
【加藤広宣】