出直し東栄町長選 村上氏が3回目の当選

2021/08/09 00:02(公開)
支援者らと万歳する村上氏=東栄町本郷で
 町長辞職に伴う東栄町の出直し町長選は8日投開票され、前町長の村上孝治氏(63)が、元町長の尾林克時氏(71)を破り、3回目の当選を果たした。投票率は82・75%で前回(2019年)より1・86㌽上回った。 村上氏の任期は23年4月26日まで。

 町の医療体制が争点だった。町営医療センター(旧東栄病院)で医療従事者の確保困難▽経営状況の悪化▽入院患者数の減少-から、町は2020年3月に人工透析を中止、老朽化した現在の建物を取り壊し、本郷へ新しいセンター建設を計画する。その際、入院病床は設けないとした。
 村上氏は町議5人の応援を受けて街頭演説を重ねた。センターの計画は議会承認を経て進められていることを強調し「3000人を下回った人口と、潤沢ではない財政規模を考えた医療を残し、これから先の将来を皆さんと考えなければいけない」と訴えた。
 当選確実となった午後8時過ぎ、本郷では村上氏と妻としこさんは、原田安生議長ら支援者に囲まれて万歳し、当選を喜んだ。
 選挙は村上氏が6月30日付で町長を辞職したのに伴って実施された。村上氏に対し、住民団体「東栄をよくする会」がリコール運動を展開、有権者の署名953筆が法定数(908筆)を超え、解職の賛否を問う住民投票が実施されることになっていたが、辞職で住民投票はなくなった。
 村上氏が辞職し、出直し町長選への出馬を表明した後、住民有志の要請を受けた尾林氏が7月8日に立候補を表明した。
【安藤聡】
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