13日から「花祭展」 東栄町民有志が企画

2021/11/10 00:02(公開)
布川地区の花祭(2016年3月、提供)
 東栄町などで受け継がれる神事「花祭」=ことば=の意義や人々の思いを伝えようと、町民有志が「花祭展」を企画、13日に始まる。新型コロナウイルス感染防止のため、ほとんどの地区が2年連続で祭りを中止している。伝統が途絶えないようにするため、花祭会館に写真パネルや道具など展示する。来年1月9日まで。

 花祭は毎年11月上旬から翌年1月中旬にかけて町内10カ所で開かれる。夜通しで40種以上の舞いを披露する。各地区で「太夫」や「宮人」など配役を受けた住民が舞う。「鬼の舞」では地元住民だけでなく遠方からの観光客も声を上げながら踊りの輪に入る。しかし、コロナ禍が終息しないため、各地区は昨年に続いて中止を決めた。
 そんな中、町民有志「花祭部」が今回の展示を企画した。コロナによる巣ごもりで交流が減った今、地域と人のつながりを再び考えてもらおうと「花祭のある暮らし」を副題にした。
 展示は写真パネルがメイン。「布川」の祭本番の模様や、供え物の山芋を用意する女性の姿、田植えや稲刈りなどの風景もある。演者が履くわらじなどのほか、花祭を訪れた人が作った榊鬼の面、神事で使う鈴なども出展する。花祭を見に訪れて結ばれたカップルのエピソードの紹介なども。
 「稲作は舞の中でわらを使ったり、五穀豊穣(ほうじょう)を祈る意味を考えるために展示する」と花祭部の伊藤拓真さんは説明する。
 父と長男の3代で花祭に携わる公務員原田健史さん(36)は「演じたいという憧れから、演じるという責任感を負うようになった」と話した。
 伊藤さんは「祭りの準備から本番まで、地域には活動があった。それがコロナ禍で薄れている。花祭りという共通の話題で人のつながりを考える機会になれば」と話す。
 入館料320円。期間中、展示物の入れ替えがある。
 問い合わせは東栄町観光まちづくり協会(0536・76・1780)へ。
【安藤聡】

ことば
花祭
 鎌倉時代末期に熊野の山伏や加賀・白山の聖(ひじり)によって伝わったとされる。湯立てと清めを中心とする神事。現在は五穀豊穣などを願う祭りとなった。町内10地区で地元の人たちによって受け継がれる。1976年に国重要無形文化財に指定された。
展示に向けて準備をする花祭部のメンバー=東栄町内で
展示される榊鬼面
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