「ラ・バルカグループ」に豊橋市が感謝状

2021/11/25 00:00(公開)
感謝状を贈られた夏目さん㊨
感謝状を贈られた夏目さん㊨
 豊橋市は24日、一般社団法人「ラ・バルカグループ」が、SDGs(持続可能な開発目標)の推進に多大な貢献をしたとして、グループ代表理事の夏目浩次さん(44)に感謝状を贈った。グループは障害者らを雇用するプロジェクト「久遠チョコレート」で全国的に知られる。
 市のSDGs推進パートナー制度は昨年7月にスタート。登録企業や団体にメールマガジンを配信するほか、交流会も開く。現在は市内外の280の企業や団体が登録しており、増え続けている。感謝状は今回が初めてだ。
 夏目さんは20年前から障害のある人々の雇用を続ける。慈善事業ではなく、適切な労働の対価を払おうとしている。パン工房の開設と挫折を経て、チョコレートと巡り合い、久遠を2014年に創業した。
 現在は全国に34店舗を展開し、52の拠点を構える。550人を雇用し、そのうちの350人が障害などのある人らだ。子育て中の主婦、不登校や引きこもりを経験した若者、LGBTQ(性的少数者)ら多様な人を雇用している。
 この日、菰口町のチョコレート工場に、木和田治伸企画部長らが訪れ、夏目さんの案内で作業を見学した。従業員がチョコのフレーバーの茶葉をひく作業をしていた。夏目さんは案内の中で「日本は平準化と排除が続いていた。人は、でこぼこがあっていい。キーワードは寛容です」と述べた。
 また「障害がある、介護が必要だと、外から『ふた』がかぶせられている人がいる。みなが少しずつ工夫すれば、そんなふたは外れる」と語った。そのうえで「格好良くスマートに目標を達成するのがSDGsではない。格好が悪くても、もがき続けることこそがSDGsではないか」と信念を述べた。感謝状を受け取り、従業員と一緒に記念撮影した。
 すでに2018年に第2回SDGsアワードで内閣官房長官賞を受賞している。夏目さんは「それでも、豊橋で生まれ育った者として、地元からの評価が何よりもうれしい」と笑顔を見せた。
【山田一晶】
チョコレート製造作業
チョコレート製造作業
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