あいち産業科学技術総合センターと蒲郡市形原町の「喜栄丸カベヤ水産加工」は共同で魚醤(ぎょしょう)「深海ギョの魚醤 キンメダイまるごと」を開発した。キンメダイの魚醤の開発は県では初めて。リニューアルオープンする竹島水族館で12日から50本限定で販売する。価格は70㍉㍑950円(税込み)。
センターは、地域ブランド製品を開発することを目的に、地元で水揚げされる魚を原材料にした魚醤の研究に取り組んでいる。2002年には、南知多町で水揚げされるカタクチイワシを使った魚醤を、17年には「喜栄丸カベヤ水産加工」の前身である「壁谷水産」と深海魚メヒカリを利用した魚醤「深海ギョの魚醤」を共同開発した。
蒲郡市の形原漁港では高級魚のキンメダイの漁獲量はここ2~3年、増加している。一方で、加工に向かない小サイズ(体長20㌢以下)の漁獲が多く、その有効利用が課題となっていた。
23年に「喜栄丸カベヤ水産加工」がセンターへ相談。小サイズのキンメダイを有効利用した魚醤の開発に取り組むことが決まった。
魚醤は魚体中の酵素によってたんぱく質をアミノ酸に分解してうま味を作る調味料。夏以外は分解しないという課題があったが、総合センターとカベヤ水産加工の共同開発で夏以外の醸造が可能となり、従来方法では2年から3年必要だった醸造期間を、9カ月程度に短縮ができた。
キンメダイの魚醤はうま味が強く、魚の風味が豊かであることが特徴。魚と塩のみで醸造するため炭水化物が少なく、淡い色合いをしており、煮物など素材を生かしたい料理に適しているという。
「喜栄丸カベヤ水産加工」は、漁獲量の多い魚の提案を受けてキンメダイ以外の魚醤を醸造中。併せて、「あいち中小企業応援ファンド」の成果を活用し、地元の清酒を活用した魚醤調味料の開発もしている。
センターは、引き続き県内企業の製品開発の支援を続ける。
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1959年東京都生まれ。山田一晶編集長に声を掛けてもらい、2024年5月に入社した。それまでは別の新聞社に勤務し、名古屋、岐阜、東京などで記者をしていた。事件取材が長かったが、東京では食文化、社会保障といった分野の取材も経験。介護など生活に密着した記事の重要性を実感した。趣味は街歩きと山歩き。東海道五十三次を歩いている。目標は東京―京都間の完歩。テント泊の登山にも憧れているが、三河の低山巡りがメイン。ミステリー、歴史小説を愛読。名古屋支局で愛知県政を担当している。人口減少、地域活性化の課題などを取材しながら、東三河の魅力を発信していきたい。
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