豊川市土筒町のバスケットボール専用コート「グレープパークコート」で5月29日、3人制バスケットボール(3×3バスケ)の世界大会出場をかけた「Red Bull Half Court Japan 2022」(レッドブル・ジャパン主催)の名古屋予選が開かれた。プロ、アマを問わない真剣勝負。各地の国内予選を勝ち抜いたチームが国内決勝で戦い、エジプト・カイロで開かれる世界戦への切符を目指す。
名古屋予選には、神奈川や群馬など日本各地から10チームが集まった。豊橋に拠点を置き、愛知をホームタウンとして活動する3×3プロバスケチーム「アイリスパートナーズ」も参加。レッドブルが「戦績や経験は一切不問。実力&結果主義の3×3バスケットボールイベント」とうたう通り、アマチュアから3人制バスケのプロ、さらにはBリーグの選手を擁するチームもある。
この日の市内の最高気温は33度超。快晴の下、10チームの熱戦が始まった。3×3バスケは通常のコートの半分を使ってプレーをするため、同時に2試合が進行する。
ドリブルの音、選手の掛け声、シューズのスキール音などが会場に響き、スーパープレーにはギャラリーが拍手で応えた。目まぐるしく入れ替わる攻防に観客も熱中。試合が進むにつれ、観覧席から出てコートのすぐそばに陣取り、大迫力のプレーを楽しむ人も増えた。
真剣勝負を繰り広げる選手たちは、ファールの判定などを巡りヒートアップする場面も。しかし、試合終了後には対戦相手や審判と健闘をたたえる「グータッチ」。勝者も敗者もすがすがしい顔でコートを後にした。
予選の決勝戦を控えた休憩時間には、会場に来ていた子どもたちが即席のチームを組み、予選参加者と対戦する一幕も。子どもらは身長も技術も上回る相手へ果敢に挑み、時には対戦相手からアドバイスをもらいながら、3×3バスケの醍醐味(だいごみ)を楽しんでいた。
名古屋予選を制したのは、群馬県から参加の「MINAKAMI TOWN」。アイリスパートナーズは4位だった。予選終了後には観客や選手らが周辺のごみ拾いをして、会場となった地域へ感謝の気持ちを表していた。
名古屋予選のオーガナイザーを務めた桜井康貴さんは「選手の情熱、真剣勝負の楽しさや厳しさ、スポーツマンシップなど、ゲームの現場にある生の声を観客へ届けるイベントとして大成功。3×3バスケや、グレープパークコートの魅力を存分に発揮できた思う」と、手応えを感じていた。
さらに「子どもたちにはバスケットボールをきっかけに、さまざまなつながりを得てほしい。その楽しさや体験を糧に、今度はきかっけを与える側に成長してくれれば。子どもたちの世界を広げ、あこがれを抱いてもらえる魅力が、バスケットボールにはある」と語った。
【夏目敬介】
会場にいた子どもたちが大会参加選手とゲームを楽しむ
オーガナイザーの桜井さん。MCとしても会場を盛り上げた