豊橋市動物愛護センター 建設予定地は「ほいっぷ敷地内」

2022/08/03 00:02(公開)
豊橋市動物愛護センターのイメージ図
 豊橋市が建設を計画する「市動物愛護センター(仮称)」の建設予定地が、同市中野町の市保健所・保健センター(ほいっぷ)の敷地内に決まった。2日の市議会福祉教育委員会で発表された。2023年度に向けて整備基本計画をまとめ、設計のうえ、24~25年度に建設工事を進める。
 用地は2万7133平方㍍。市は7カ所の候補地を選定し、メリット・デメリットを比較した。他に①ほいっぷ周辺農地②「道の駅とよはし」周辺農地③小池給水所跡地(西小池町)④グリーンスポーツセンター跡地(大岩町)⑤のんほいパーク西門駐車場⑥のんほいパーク周辺農地-だった。いずれも交通アクセスは「優」の評価だった。しかし、③~⑥は浸水想定区域だったり、土砂災害警戒区域に近接していたりと、センターの役割である「災害時の動物対策の拠点」とならないため、除外された。
 そのうえで、残った3カ所を比較し、既存ライフラインがあること、用地交渉が不要なこと、集客性の観点などから、ほいっぷ敷地内がもっとも優れていると判断した。ただ、現状の駐車場が減るため、市は近隣で用地の確保を検討するとしている。
 また、建物は2階建て延べ1000平方㍍。収容可能頭数について、犬20匹、猫100匹とする方針も示した。「動物にストレスがかからないよう適切な空間を設け、衛生的に管理できる構造」としている。
 さらに、最新の技術によって動物が逃げ出さないようにするほか、鳴き声や臭いが外に漏れないよう、防音・防臭効果の高い構造にする。建物の臭気対策、毛などの飛散防止やほこりなどを効果的に除去するため、脱臭・集塵機能を搭載した設備を採用する。
 このほかにも「市民が親しみやすく、訪れやすい」「動物について理解を深められる」「災害に強い」「地球環境に配慮する」などのコンセプトを掲げている。
 施設の管理運営は狂犬病予防法、動物愛護法に基づく市職員によらざるを得ない業務が多いことから、直営とし、施設の維持管理は個別に委託する。運営にあたっては、動物愛護と管理の拠点として、獣医師会、自治会、動物関連企業、動物愛護団体、ボランティアらとの協力体制の構築を図る、と明記した。
 委員からは候補地の選定経過に関する疑問のほか、周辺への環境問題への配慮、災害時の活動などについて質問が出た。
 2020年11月の市長選では、動物愛護センターの設立が公約となった。県内では豊田市、岡崎市がセンターを稼働させており、犬猫の保護室、不妊・去勢の手術室、感染症にかかった犬猫の隔離室などがある。センター設置で犬猫の殺処分が大きく減るなどの効果があった。
【山田一晶】
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