豊橋に縁のある世界的なソプラノ歌手、森谷真理さんが、豊橋市立豊城中学校で中学生を前にミニコンサートを開いたのは６月のことだ。聴き入った全生徒３０８人の感想集がまとまり、歌声への感動がつづられていた。
　森谷さんは、三河市民オペラ２０１７年公演「イル・トロヴァトーレ」にレオノーラ役で出演。来年５月の「アンドレア・シェニエ」にも主要キャストに選ばれている。豊橋で開かれるコンサートにもたびたび出演している。
　その縁もあり、スケジュールが空いた６月10日、三河市民オペラ制作委員会の仲介で豊城中を訪れた。会場の体育館でオペラアリア「私が町を歩けば」（プッチーニ）、「私を泣かせてください」（ヘンデル）などを歌い上げた。
　体育館に響き渡る歌声に多くの生徒たちが感動した。感想集には「包み込むような歌声が心に染みた」「日本語ではない歌詞で意味は分からなかったけど素晴らしさが伝わってきた」「声に感情がこもっていた」「透き通った声に感動した」などある。
　森谷さん出演のコンサートが８月21日に豊橋であり、豊城中の教諭が手渡した。すべてを読み、森谷さんは「もう一度、子どもたちの前で歌いたい」と思ったという。
　この感想集を多くの人に読んでもらいたいと、森谷さんはオペラ制作委の鈴木伊能勢委員長へ送った。鈴木委員長は「本物の歌声には人を感動させる力があることを、中学生の感想から改めて実感した。これからも『文化は生きるために不可欠』ということを多くの人に伝えていきたい」と話した。
【竹下貴信】