「三河の金次郎像全調査」出版 豊川の三浦さん

2022/10/26 00:02(公開)
「三河の金次郎像全調査」を持つ三浦さんと尊徳を描いた掛け軸=春夏秋冬叢書で
 三河地区の二宮金次郎像約350体と、作られた社会的背景を紹介する本「三河の金次郎像全調査」(A5判、296㌻)を、元高校社会科教師の三浦茂さん(73)=豊川市八幡町=が、春夏秋冬叢書から出版した。
 三浦さんは明治期の教育に興味があり、洋風の木造校舎などにひかれていた。各学校を巡るうち、金次郎像が目にとまった。同じ像が学校にあるのは世界的にも珍しいと感じて調査を始め、約10年かけてまとめた。
 前半は各金次郎像の詳細を紹介する。市町村別に分けて、学校などの設置場所、大きさ、材質、設置時期、形、持っているもの、刻まれた文字などを伝える。写真も添えた。
 うち前芝小学校の像は、1924年に作られ学校にある像では最も古いとして知られ、魚籠(びく)を背負っているのが珍しい。29年に設置された岡崎聾学校の像は、石造では最も初期のもので、東京の彫刻家が作った。また豊田市の灰寶神社にある像は、高さ220㌢でこの地方で最も大きい。
 金次郎像が多く建てられた理由も探る。小学校に最も多く建てられたのは昭和10年前後。昭和恐慌で厳しい時代の中、報徳関係者の働きかけや、尊徳のように厳しい状況の中でも生き抜く力を身に着けてほしいとの願いが込められたという。
 三浦さんは「金次郎像のたどった運命は、近代史を見るうえで一つの指標になる」と話す。2750円(税込み)。豊川堂、精文館書店の一部店舗ほか、ネットなどで購入できる。問い合わせは春夏秋冬叢書(0532・33・0086)へ。
【竹下貴信】
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。
最新記事

日付で探す

蒲郡信用金庫 藤城建設 さわらび会 住まいLOVE不動産 光生会 虹の森
158商品のおすすめドッグフードを比較 hadato 肌を知る。キレイが分かる。 全国郷土紙連合 穂の国