豊鉄バスが高齢者施設へ「バスの来ないバス停」寄贈

2023/08/07 00:01(公開)
「バスの来ないバス停」に座る利用者ら=エバグリーンで
 豊鉄バスは6日、東三河4グループホームに不要になったバス停の標識を寄贈した。「バスの来ないバス停」として役立ててもらう。豊鉄グループは認知症理解の取り組みを進めており、寄贈は社会貢献の一環。
 バス停を置くことで、認知症の人が家に帰ろうと徘徊(はいかい)するのを防ぐ効果があるとされる。県認知症グループホーム連絡協議会東三河ブロックや地元基幹型地域包括支援センターと協働し、昨年度は豊橋市内4施設に贈った。今年度は市内の「グループホーム牟呂」「グループホームたけのこ」「グループホームエバグリーン」、新城市の「グループホームサマリヤの家」を対象にした。
 強風で折れた標識などを直した。バス停の名前は各施設で自由に書く。時刻表には各施設名と「いつまでもお元気で」と印刷されている。
 このうち「エバグリーン」には運輸部長の白井良充さん、総務部副長の赤川景子さんが標識を持参し玄関前に設置した。施設ではベンチも新調した。管理者の山本晋吾さんは「家に帰ろうと外出する人もおり、職員がついて歩いていた。近くに本当のバス停もあるので心配だったが、屋根のある玄関にバス停があれば助かる」と喜んだ。
 協議会理事で昨年標識を置いた「ジョイア・ミユキ」の武田誠施設長は「以前は帰宅願望のある人を止めることしかできなかった。バス停の利用で利用者、職員のストレスが減った」と話す。
 白井部長と赤川副長は「廃棄される標識の有効活用はSDGsにもつながる。来年度以降も希望する施設に贈りたい」と話した。
【田中博子】
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