任期満了に伴う豊橋市長選(10日投開票)で、候補者はそれぞれのスタイルで選挙運動を続けている。主要3候補について、その横顔を紹介する。
(45)無新
2011年の初当選から市議を4期務め、23年には歴代最年少となる43歳で議長に就いた。
政治家を志したのは、大村秀章氏の秘書を務めていた24歳だった。碧南市での衆院選挙の総決起大会で、大村氏の演説を聞く約半数の観衆が涙した光景に衝撃を受けた。
「政治で人の心を動かせると分かった。社会を豊かにしたいという思いが次第に強まった」と振り返った。
市議になって痛感したのは民間とのスピードとの差だ。県内で数少ない総合駅を持つ豊橋は潜在能力がある一方、同じ車社会の名古屋と比べ能力を生かしきれないと悔しがる。
「官民連携で社会や時代の流れの速さに合った規制緩和が必要。県内で第2の都市にも返り咲ける」と説く。
趣味はバスケットボールBリーグの観戦。ひいきは地元の三遠ネオフェニックスだ。「芸術、スポーツは世代を超えて誰もが関われる魅力あるコンテンツ。まちを元気にできる」と目を輝かせた。
(62)無現
市政を託された4年前は新型コロナウイルス禍での船出だった。「あっという間の4年間」と振り返る。
地方銀行に勤める親族の影響で政治経済に関心を持つ少年だった。「あさま山荘事件」の報道で社会への興味は強まった。
高校時代に読んだ「青春国会劇場」が政治の原点だ。人材を輩出する早稲田大学雄弁会を描いた物語で、入学と同時に門をたたいた。著者の豊田行二さんも大先輩で仲人を務めた間柄だ。当時は国会議員会館にも通い詰め、世間と永田町の温度差も感じた。庶民感覚のある政治はこうした体験から培った。
3年間の企業勤めを経て政界初挑戦の県議選で2度の苦汁をなめた。「豊橋に命を捧げられるかを試されている感じだった。自分と向き合い、多くの支えを糧にした人生でもっとも重要な時間だった」と振り返る。
多忙な公務の合間を満たす趣味は映画鑑賞。黒澤明や小津安二郎らの名画から地元出身の平田満さんの出演作品まで幅広い。中でも心温まる作品が好み。
(41)無新
可能な限り豊橋駅前に立つことが目標だ。まちや通行人の雰囲気を感じつつ市民の声に耳を傾ける毎日だ。「この7~8年間でもっとも反応がいい」と手応えを示す。
高校時代から生物好きが高じ、東京大在学中は研究者も目指した。郷土への意識が芽生えたのも同時期だ。当時は自己紹介で「豊橋出身」といっても反応が薄いことが腹立たしかった。サークル活動で豊橋の活性化に携わり、大学祭で手筒花火を揚げネットニュースにも掲載された。豊橋への反応は相変わらずだったが、地元が喜んでくれたことがうれしかった。
コンサルティング会社を経て、豊橋へ戻って商店街マネージャーを務めるうち、長期的にまちづくりに取り組める政治家を志すようになった。
「政治というより豊橋に関わりたい思いが強い。楽しい幼少期を過ごせた豊橋に多くの思い出と愛着がある。恩返しがしたい」と思いを語る。
自称「仕事人間」だったが、最近は2人の子と過ごすのが幸せな時間だという。「すべて反応を見ているのが楽しい」と思わず目を細める。
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