新城「みかわ元気ものがたり」の鈴木社長
「中央アジア+日本」ビジネスフォーラムが、9日、カザフスタンの首都アスタナで開かれた。新城市のコンサルタント会社「みかわ元気ものがたり」の鈴木達也社長が出席した。
元々、岸田文雄首相が9~12日にカザフスタン、ウズベキスタン、モンゴルを歴訪する予定だった。しかし8日夜に「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が出たことから見送りになった。岸田首相は9日、各国首脳と電話で会談した。
「中央アジア+日本対話」は、2004年にカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンとの間で始まった枠組みで今年で20周年を迎えた。直近では22年に東京で第9回外相会合が開かれている。
アスタナでは9日のビジネスフォーラムに続き、各国首脳が参加して6カ国案件、複数国案件の文書披露式典、記念撮影、10日には2国間案件の個別の文書披露式典、昼食会を予定していた。9日の日程は簡素化され、10日はすべてキャンセルされたという。
日本と中央アジア各国との間で協力を約束した案件のうち、日本政府と各国政府が選抜した案件について、日本側企業が招待される形で開催した。「みかわ元気ものがたり」は、キルギス工科大学とドローン分野での協力協定の調印を7月2日にしており、現地大使館と外務省を通じ、式典での披露セレモニーに招待され、鈴木社長が参加した。
9日には中央アジア5カ国と日本の政府、企業との間で交わされている30以上の各種協力案件の調印の署名披露式典があった。行事は、一般社団法人「ロシアNIS貿易会」が開催。冒頭、主催者が会議の趣旨、意義について「中央アジアは、ユーラシアのセンターにある。豊富な資源があり、マンパワーも若い。そしてロシアを通らないで欧州と日本を結ぶ重要な位置にある」と説明した。
経済フォーラムでは、カーボンニュートラル、欧州と日本との物流、人への投資について議論があった。日本は、2050年までのカーボンニュートラル達成を宣言しているが、二酸化炭素の搬出量は、世界の3%に過ぎず、大きな活躍やリーダーシップが期待される。
鈴木社長は今回の行事の出席のため、前後10日間の日程で、カザフスタン、ウズベキスタン、キルギスを訪問した。キルギスのビシケクでは、キルギス工科大学の学長と3度目の面談。協力協定に基づき、9月の新学期からドローンの科目を設定することになった。ドローン製作や実験研究室の新規提供を受けるという。キルギス側のドローンに対する期待が大きいという。
鈴木社長は「今回の日本側の参加者は大手商社などそうそうたる企業ばかりで、少し緊張した。小さな企業でも海外にビジネスチャンスがあるということを身をもって示せたので、身の丈に合った国際貢献を地道に進めていきたい」と語った。
【山田一晶】
キルギスのIT技術分野の総裁と握手する鈴木社長㊨
記者席(同)