豊橋市の「リーフ」尾崎社長に聞く 「おうち胡蝶蘭」のシェア拡大へ

2024/12/20 08:30(公開)
「おうち胡蝶蘭」需要増を見越して先手を打つ尾崎社長

 胡蝶蘭(こちょうらん)の生産量、生産面積、出荷額が全国1位の豊橋市。胡蝶蘭は、豊橋市の市町村別農業産出額を引き上げることに大きく貢献している。同市細谷町の胡蝶蘭加工卸売「リーフ」は、年間生産量が85万株と単独で国内1位のシェアを誇る。尾崎幹憲社長に聞いた。

 

 ―胡蝶蘭ではお祝いなどの贈答品で派手で高価なイメージがあります。

 ◆日本では法人ギフトが主流です。しかし胡蝶蘭の魅力はそこだけではなく、自宅で気軽に楽しむ「おうち胡蝶蘭」にあり、その市場をターゲットにしています。実は、欧州をはじめ世界中で贈答用というよりも家の中で飾る花として定着しているのです。

 

 ―なぜ日本以外では定着しているのか?

 ◆日本人のイメージと真逆かもしれませんが、安上がりだからです。家の中を花で彩るとするなら、切り花か鉢花になりますが、かかるお金や手間を考えると最もコストの安い花として胡蝶蘭が選ばれているのです。海外での胡蝶蘭の価格の安さに驚くと思います。

 

 ―胡蝶蘭の生産サイクルはどれくらいですか。

 ◆苗は100%輸入で、4~6カ月育てて出荷します。新年度や母の日の需要に向けた苗はすでにハウスの中で成長しつつあります。贈答用の需要は年末年始には止まりますが、重要視している「おうち胡蝶蘭」の普及拡大に向けては書き入れ時でもあります。

 

 ―今後の展望について教えてください。

 ◆競争が激しくなる前兆はすでにあります。大手ハウスメーカーなども胡蝶蘭の生産に乗り出す気配を見せています。そうしたなかで、日本の「おうち胡蝶蘭」の半分のシェアを目指します。

 

 ―具体的には

 ◆日本全国の胡蝶蘭の生産株数は1000万株。そのうち10%の100万株が「おうち胡蝶蘭」。これが安価で育てやすい事実が広まれば、生産株数は劇的に増えることが予想されます。その時に「おうち胡蝶蘭」市場の可能性に気づいて参入してくる同業他社に負けずに国内のシェアを握る準備をこの豊橋でしていきます。

 

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関健一郎

鎌倉市出身の45歳で四人の子育て真っ最中。NHK記者として11年仕事をしてきた。その後、豊橋に住んで今年で10年目。東三河地域でいまだ日の目を見ぬ素晴らしい取り組みをしている企業に東愛知新聞で光を当てることができるよう取材している。趣味はサッカーと筋トレ。

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