豊橋商工会議所は14日、「第37回都市デザイン文化賞」と「第13回環境経営賞」の受賞者を発表した。都市デザイン文化賞は、豊橋市中心街の複合再開発ビル「emCAMPUAS(エムキャンパス)」(同市駅前大通2)が受賞。環境に配慮した製品やビジネスモデルなどを対象にした環境経営賞は「アイセロ」(同市石巻本町)の水溶性フィルム新工場の取り組みを最優秀賞に選んだ。26日の通常議員総会で表彰式を開く。
都市デザイン文化賞は色彩造形美や景観との調和などに優れ、地域活性化や都市美文化への貢献などが期待される建造物をたたえる。会社事務所、店舗、工場、複合的集合住宅や街路など施設群が対象。環境経営賞は、省エネなど環境に配慮した製品やビジネスモデル、企業の取り組みを顕彰する。
エムキャンパスは2024年5月完成。2棟の複合高層マンションに市まちなか広場を併設する。低層階には商業施設のほか、市まちなか図書館が入る。隣接する駅前大通りと水上ビルを結ぶにぎわい拠点や、都心居住の機能も併せ持つ。
マンション外観は白色系でそろえ、高層ビルにありがちな周囲への圧迫感を抑えた。冬の快晴時は空によく映え、水上ビルや周辺の街並みとの調和も評価された。
再開発組合の石黒功理事長は「隣接する水上ビルには学生や若い起業家が集う相乗効果もみられる。まちが生まれ変わる施設になってほしい」と期待した。
アイセロは本社隣の新工場で洗剤の包装材に用いる水溶性フィルムを製造。個別包装で洗剤の使い過ぎを抑え、工業排水をゼロの循環処理技術で環境性に優れる。低層で免震構造の工場は地震被災後も生産継続でき、安心安全で持続可能性の高さも評価された。
同社の杉山慎上席執行役員は「水溶性フィルムの技術は世界でも希少とされる。過去に環境汚染を出してしまった経験から長年、環境に配慮した生産に取り組んだ。自社の取り組みを世界の環境負荷低減の貢献につなげたい」と語った。
ほか、優秀賞は一幸建設(同市大山町)と夏目デザイン(同市湊町)を選んだ。一幸建設は本社ビルの改修工事に「ZEB」(ネット・エネルギー・ゼロ・ビル)を採り入れた。改修工事での建築物のZEB化は困難といわれ、独自技術を生かした事業化も視野に入れている。
夏目デザインは高断熱型仕様の木造省エネトレーラーハウスで選出。鉄骨トレーラーより熱損失率は半数以下の断熱性能を実現した。全長3㍍の小型車両は太陽光発電システムを搭載し、年間300㌔㍗時を発電。スタートアップの移動事務所や災害用シェルターの活用を見込む。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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