豊橋商工会議所の神野吾郎会頭は、長坂尚登市長と市議会の対立による市政の混迷に対する見解を述べた。議会でのかみ合わない質疑の連続に対して「しっかりとした議論が見えてこない」と不満を示した。14日の定例記者会見での発言。
「世の中ではさまざまなことが待ったなしで進んでいる。現在の豊橋市政に関してはすべてが停滞している。早く是正しなければいけないが、それを考えるのは市長と議会の役割だ」とした。
豊橋公園での新アリーナ計画について「総合的なまちづくりや地域づくりのために、商議所や関連するまちづくり会社として中長期的なビジョンで一貫して推進する立場をとってきた」と長年の経緯について説明した。
長坂市長の就任から約4カ月。12日の問責決議可決で市長と議会の対立はより深くなった。新アリーナ計画での対立に加え、自身の法定ビラが発端となった市長選を巡る問題も浮上した。
混迷を極める市政運営について神野会頭は「選挙戦を巡る問題はまず公人として、市民に対する明確な説明が必要だ。議会への質問にも明確な返答があれば納得していただろうが、議会中継などを見ると議論がかみ合っていない。こうした積み重ねが問責決議につながっているのではないか」との見方を示した。
そのうえで「市長の権限はとても強い。一方、大多数の市議は市政の継続性を踏まえて議論をしている。議会の賛同なしに物事を進められないのが民主主義のルールだ。まちの経営者としての立場から、折り合いを付けて物事を前に進める考え方が欠かせない。今は衝突を繰り返してばかりではないか」と指摘した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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