住民投票で賛否を問うことがまった「多目的屋内施設(新アリーナ)と豊橋公園東側エリア整備再編事業」を巡り、老朽化が深刻な豊橋市武道館を含む公園再整備案について、長坂尚登市長は9日の一般質問で判断材料の対案は「反対多数で契約解除した後から検討する」とした。契約継続中を理由に、就任から半年間で具体的検討がなかったことも判明。契約解除も想定した再整備の見通しも不透明さが残る結果となった。
この日の市議会6月定例会一般質問で、山本賢太郎氏(自民)が関連質疑した。武道館や公園再整備の関連質疑では、契約解除を掲げる市長に推進派の市議が「対案」を求めていた。長坂市長は昨年12月定例会で当面は現施設を必要に応じて修繕し、事業契約解除後に公園再整備案を検討するとしていた。
市武道館は1973年開館から52年が経過。室内の雨漏りや一部外壁がはがれ落ちるなど老朽化が深刻化している。現計画では朝倉川流域の家屋倒壊等氾濫想定区域を避け、新アリーナに隣接する豊橋球場跡へ新築移転する予定だった。
住民投票の結果が反対多数でも、長坂市長は老朽化施設が目立つ公園再整備の必要性は認めていた。山本氏は12月定例会で修繕後の対応を検討するとした市側の状況をただしたが、山口雅己文化・スポーツ部長は「まだ具体的な検討はしていない」と答弁。今年1月以降の修繕費は5件で総額約12万円だった。
老朽化対策は急ぐべきとする一方、住民投票で否決された際の検討がスピード感に欠けることから「市政運営も企業経営のように、先々を見通した想定ぐらい検討しておくべきではないか」と山本氏は対案の必要性をただした。これに長坂市長は「契約解除までは現計画と別の再整備案を示すことはない」との姿勢を崩さなかった。
松崎正尚氏(自民)も公園再整備の対案を示す必要性をただいた。併せて住民投票で現計画が否決された場合、契約解除で想定される損害賠償などの試算を求めた。
市として契約解除前に試算も対案も示さないとする長坂市長に、松崎氏は政治家個人としての見解もただしたが明確な答弁はなかった。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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