豊橋市内の中学生を中心に組織する硬式野球クラブ「豊橋東リトルシニア」は、創立14年目で初の全国大会への出場権を手にした。創立当初から練習拠点が定まらず、桜井孝史会長も「ジプシークラブ」を自任する。夜間練習で週1回使っていた豊橋公園の豊橋球場は昨年度、新球場への移転整備で廃止。代替施設を探し、地域や関係者の支援で練習環境の確保もやりくりが続く。
クラブによると、毎週土日曜と祝日は企業の専用グラウンドで練習している。それ以前は田原市や湖西市まで練習場を求めて遠征もしたという。毎週火曜は夜間照明のある旧豊橋球場を借りていたが、新アリーナ整備に伴い廃止。神野新田町の市総合スポーツ公園へ新築移転されるまで代替施設を探した。関係者の好意でようやく、市立二川中学校のグラウンドを探し当てた。
学校運動場のためマウンドなどはない。桜井会長は「貸してくれたこと自体がありがたい。多くの支えで野球ができる喜びをかみしめ、練習に励んだ結果が初の全国大会出場へつながった」と感謝した。
プロ野球や夏の高校野球地方予選で使う市民球場とは違い、豊橋球場は少年から一般まで多くのアマチュア野球チームが利用した。硬式球を使える数少ない施設で、廃止後は関係団体が新球場の早期実現を要望し続けていた。
豊橋球場廃止に伴う新野球場の移転計画は、総合スポーツ公園B地区(同市神野新田町)にコンクリート造のスタンドや夜間照明などを備えたメイン球場のほか、サブグラウンド2面を併設する内容だ。
昨年度には候補地の事前調査や用地取得などを進めていたが、11月の市長選で新アリーナ事業の契約解除を掲げた長坂尚登市長が誕生。建設予定地の豊橋球場で進んでいた解体工事に伴う発掘も一時休止された。
現在は、3月市議会の予算組み替えで、前年度に計画していた実施設計や用地取得費など5億9840万円の繰越明許費を設定。いつでも執行可能な予算とした。長坂市長は新アリーナ事業が契約解除された場合、豊橋球場の存続も含めた検討も示唆している。
桜井会長は「主要大会は夏に多く、暑さ対策の夜間開催を望む意見もある。何より待たされる野球少年がかわいそう」と早期実現を望んだ。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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